生計を共にしていた年金の被保険者が亡くなった場合、遺族には遺族年金が支給されます。年金と聞くと老後に受け取るイメージが一般的ですが、遺族年金は条件に合致すれば若い年代からでも受給できる年金です。
遺族年金の受給者には、所定の要件を満たすと「遺族年金生活者支援給付金」が支給されます。
遺族年金生活者支援給付金はどのような人が、いくら受け取れるのでしょうか。この記事では、遺族年金生活者支援給付金について解説します。
1. 遺族年金をおさらい
はじめに、遺族年金についての理解を深めましょう。遺族年金とは、国民年金・厚生年金保険の被保険者や被保険者であった人が亡くなった際に、生計を維持されていた人に対して支給される年金です。
国民年金の被保険者であれば「遺族基礎年金」、厚生年金保険の被保険者であれば「遺族厚生年金」が支給されます。それぞれの詳細は、以下のとおりです。
1.1 〈遺族基礎年金〉
受給額
- 昭和31年4月2日以後生まれ:83万1700円+子の加算額(※1)
- 昭和31年4月1日以前生まれ:82万9300円+子の加算額(※1)
受給要件
- 国民年金の被保険者が死亡したとき
- 国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満で、日本国内に住所を有していた人が死亡したとき
- 老齢基礎年金の受給権者であった人や受給資格を満たした人が死亡したとき
受給対象者
- 生計を維持されていた以下の親族
・子のある配偶者
・子
1.2 〈遺族厚生年金〉
受給額
- 老齢厚生年金の報酬比例部分×3/4
受給要件
- 厚生年金保険の被保険者が死亡したとき
- 厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき
- 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受け取っている人が死亡したとき
- 老齢厚生年金の受給権者や受給資格を満たした人が死亡したとき
受給対象者
- 以下の優先順位で受け取れる。
1.子のある配偶者
2.子(※2)
3.子のない配偶者
4.父母
5.孫(※2)
6.祖父母
※1:子の加算額は1人目、2人目が23万9300円、3人目以降が7万9800円。
※2:18歳になった年度の3月31日までにある人、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人。
老齢年金のように受給要件が簡単なわけではないため、人によっては受給できない可能性があります。また、遺族厚生年金に関しては受け取れる遺族に優先順位が設けられており、遺族全員が確実に受けられるとは限りません。
次章では、遺族年金生活者支援給付金の概要を解説します。
