4. 遺族年金の平均受給額は?
遺族年金生活者支援給付金を受け取るには、遺族基礎年金を受給していることが要件になります。遺族厚生年金も含めて、遺族年金の受給額を確かめてみましょう。
- 遺族基礎年金:6万4176円
- 遺族厚生年金:8万573円
遺族基礎年金は6万円台、遺族厚生年金は8万円台の金額を受給します。基礎年金を含む老齢厚生年金の平均受給額が14万6429円ですから、遺族基礎年金・遺族厚生年金どちらも受け取る人は、老齢年金とほぼ同じ金額を受給できるといえるでしょう。
加えて、遺族厚生年金を受給していて、夫が亡くなったときに40歳以上65歳未満だった妻には「中高齢寡婦加算」として、年額62万3800円が加算されます。月額約5万円が追加で支給されるため、もし上記の平均額の遺族年金を受け取っていれば、約20万円の年金収入を受け取れるのです。
ただし、遺族厚生年金は2028年4月から大幅に見直されます。原則5年の有期給付となるほか、中高齢寡婦加算も段階的に廃止する予定です。すでに年金や加算を受け取っている人は見直しの対象外ですが、これから受給する人は注意が必要です。
5. まとめ
遺族年金生活者支援給付金は、働くのがままならない人や、子育てなどで働く時間が取れない人にとっては貴重な給付金となります。申請も簡単な手続きで済むため、手間がかかりません。
一方、遺族厚生年金の見直しが2028年に控えています。これから「遺族基礎年金+遺族厚生年金」を受給する人は、遺族年金の受給開始後のライフプランをしっかりと見通していく必要があるでしょう。
参考資料
- 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」
- 日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
- 日本年金機構「遺族年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「遺族厚生年金の見直しに対して寄せられている指摘への考え方」
石上 ユウキ
