昨今の物価高騰の影響を受けて「なかなか貯金できない」と悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。
帝国データバンクの調査では、2025年10月に値上げが実施された飲食料品は3024品目と公表されており、10ヶ月連続で前年を上回る結果となっているようです。
食費などの支出が増えたことで思うように貯蓄できない世帯がある一方、 なかには4000万円以上の貯蓄を保有している世帯も存在します。
そこで今回は、貯蓄4000万円以上を保有している世帯の割合と平均年収を中心に解説していきます。
どのような世帯が多くの貯蓄を形成できているのか気になる方はぜひチェックしてみてください。
1. 二人以上世帯では「貯蓄4000万円以上」の割合は13.9%
総務省統計局の資料によると、二人以上世帯で貯蓄4000万円以上を保有している割合は13.9%と記載されています。
全体の平均値は1984万円、より実態に近いと考えられる中央値は1189万円でした。貯金額別の各割合については以下の通りです。
- 100万円未満:10.2%
- 100~200万円:4.9%
- 200~300万円:4.9%
- 300~400万円:4.9%
- 400~500万円:4.0%
- 500~600万円:4.3%
- 600~700万円:3.9%
- 700~800万円:3.1%
- 800~900万円:3.3%
- 900~1000万円:2.8%
- 1000~1200万円:5.8%
- 1200~1400万円:4.5%
- 1400~1600万円:4.5%
- 1600~1800万円:3.0%
- 1800~2000万円:3.0%
- 2000~2500万円:6.7%
- 2500~3000万円:5.1%
- 3000~4000万円:7.2%
- 4000万円以上:13.9%
平均値と中央値の乖離が大きいことから、一部の高貯蓄世帯が全体の平均値を押し上げていると予想されます。
貯蓄4000万円以上では13.9%でしたが、老後資金の目安とも言われている2000万円以上に対象を広げると約33%の世帯が該当する結果となっています。
一方で、貯蓄1000万円に届いていない世帯は約46%、貯蓄100万円未満の世帯は約10%です。この結果から世帯ごとの貯蓄額に大きな差が生じていると言えるでしょう。
次章では貯蓄4000万円以上ある世帯の平均年収について解説していきます。
2. 貯蓄4000万円以上ある世帯の平均年収はいくら?
総務省統計局の以下の資料には、貯蓄金額と年収の関係性が表されています。この資料によると、貯蓄4000万円以上ある世帯の平均年収は791万円と記載されています。
以下はそれぞれの貯蓄金額に対する平均年収です。
- 100万円未満:475万円
- 100~200万円:558万円
- 200~300万円:614万円
- 300~400万円:624万円
- 400~500万円:600万円
- 500~600万円:606万円
- 600~700万円:648万円
- 700~800万円:633万円
- 800~900万円:667万円
- 900~1000万円:642万円
- 1000~1200万円:688万円
- 1200~1400万円:643万円
- 1400~1600万円:670万円
- 1600~1800万円:655万円
- 1800~2000万円:709万円
- 2000~2500万円:688万円
- 2500~3000万円:739万円
- 3000~4000万円:716万円
- 4000万円以上:791万円
貯蓄金額に合わせて年収も増加する傾向にあるものの、貯蓄200〜300万円までの世帯から貯蓄2000〜2500万円までの世帯に大きな開きは確認できませんでした。
さらに、一部の世帯で貯蓄額と年収が逆転していることから、一定の収入があれば貯蓄を形成するうえで重要なことは支出を適切にコントロールすることであると考えられます。
しかし、貯蓄4000万円以上を目標とした場合、給与所得だけで達成するのは簡単なことではありません。仮に毎月10万円の貯蓄で4000万円を貯めるには約33年ほどかかる計算になります。
そのため、積立投資で複利の効果を活かしながら資産を形成するのも選択肢のひとつです。次章では資産4000万円を形成するための積立シミュレーションを実施していきます。
3. 積立投資で資産4000万円を形成するためのシミュレーション
本章では、以下の前提条件で資産4000万円を形成するためのシミュレーションを紹介していきます。
- 30〜50歳までの20年間で積立を継続できたと想定
- 想定利回りは5%でシミュレーション
4000万円の資産を形成するには、毎月9万8570円の積立を20年間実施することで達成できるというシミュレーション結果となりました。毎月9万8570円の積立を行うとなると、ご家庭によっては非現実的な金額かもしれません。
そのような場合には、積立金額をシミュレーションよりも低くしたり運用期間を長めに設定したりすることで無理なく資産形成を行うことも検討してみてください。
また、資産運用と並行して収入アップや節約などを実施し、入金力を高めることも大切です。
なお、資産運用は変動によって損するリスクもあるため、シミュレーション通り行動すれば必ず資産4000万円を形成できるわけではありません。あくまで貯金以外の選択肢のひとつとして、参考程度に留めておきましょう。
4. おわりに
本記事で紹介したデータからは貯蓄額に偏りがあり、一部の層が平均値を押し上げている実態がみえてきました。
一方で、ある程度の収入があれば堅実に貯蓄を積み上げられることも確認できたので、支出管理が貯蓄を形成するうえで重要なポイントであることもわかりました。
ただし、4000万円という貯蓄金額は容易に達成できるものではないため、長期投資と複利効果を組み合わせることで資産を形成するといった視点が必要になるかもしれません。
もし資産運用を検討している場合は新NISA制度などを活用することで、より効率的な資産形成を進めてみてください。
参考資料
- 株式会社帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年10月」
- 総務省統計局「家計調査報告 貯蓄・負債編 2024年(令和6年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「家計調査 貯蓄・負債編 第8-11表<貯蓄・負債>貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高(二人以上の世帯・勤労者世帯)」
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
- 金融庁「NISAを知る」
湯田 浩平