政府は0~2歳児のいる世帯に向けて、おむつなど子育て関連商品に使えるクーポンを発行する事業を支援する方針を固めたと各種メディアで報じられました。

子どもが0~2歳頃は女性が働き方をセーブし世帯年収が下がる家庭もあり、また働くにしても保育料がかかります。乳幼児期ならではの子育て関連商品に対する支援には助かるという声も多いでしょう。

一方で、産み控えを解消する狙いもあると報道され、教育費や仕事と育児の両立の困難さなど他の部分において、出産・育児に対するハードルの高さを指摘する声が多数挙がりました。

文部科学省の資料によれば、国公立・私立大学の授業料はいずれも上がっており、地域によっては中学受験も過熱化し、教育費の負担に不安を感じる家庭も多いものです。

加えて、現役世代は住宅ローンの支払いや老後資金の準備をはじめる必要もあります。

では、実際に現代の子育て世帯の所得や貯蓄はどれくらいでしょうか。厚生労働省の資料をもとに詳しく見ていきます。

子育て世帯の所得はいくらか

厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」によれば、児童のいる世帯※の平均所得金額は813万5000円となっています。

※「児童」とは18歳未満の未婚の者。

児童のいる世帯の所得は年々増えており800万円台へ。日本の平均年収は30年ほど変わりませんが、共働きが増えているのも一因でしょう。

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出所:厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」

出所:厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」

所得の内訳を見ると、雇用者所得は695万1000円となっています。また、児童手当等は14万7000円でした。


【子育て世帯の所得】中央値と分布を図表で見る

平均は一部の富裕層の影響を受けるため、より実態に近い中央値と分布を同資料より確認しましょう。

子育て世帯の所得の中央値をみると722万円と、平均より80万円ほど下がります。

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出所:厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」

出所:厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」

分布を見ると「600~700万円」(13.6%)「500~600万円」(11.8%)「700~800万円」(11.4%)「800~900万円」(9.5%)など。

世帯年収500万円未満をみると約2割いる一方で、1000万円以上も2割強いることがわかります。

【子育て世帯】貯蓄はいくらあるのか

子育て世帯の貯蓄についても見ていきましょう。

2021年調査には記載がないため、「2019年 国民生活基礎調査の概況」より子どものいる世帯の貯蓄を確認します。

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出所:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」

出所:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」

子どものいる世帯の貯蓄平均は723万8000円。貯蓄がない世帯は約1割おり、ある世帯で最も多い順に「500~700万円未満」(10.6%)、「100~200万円未満」(10.1%)、「1000~1500万円未満」(8.7%)とバラつきが大きいのがわかります。

母子世帯で見ると平均貯蓄額は389万8000円と、子どものいる世帯の約半分になりました。

まとめにかえて

同調査は18歳未満の子どもとなっているため、子どもが乳幼児と中高生では世帯年収も大きく変わるでしょう。

乳幼児の頃は親の年代も若かったり、女性が働き方をセーブするため、世帯年収が低い傾向にあります。おむつ代や離乳食、また一時保育に預けるにもお金がかかるため、今回の支援は助かるでしょう。

一方で、中高生になれば世帯年収も基本的に上がりますが、食費や通信費、塾費用、学用品代などの負担が増え、また大学等の教育費が大きくかかります。

子どもを育て上げるまでは、どの年代でも両立の難しさや養育費・教育費の負担などを抱えています。産み控え対策をするならば、さまざまな方向からのアプローチが必要だと言えるでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子