4. 確定申告不要制度の注意すべきポイント
確定申告不要制度は、年金受給者の負担を軽減できる便利な制度です。ただし、制度を利用する際に注意すべきポイントも存在します。確定申告は不要でも、住民税の申告が必要になるケースがあるので注意しましょう。
具体的には、以下の条件に該当する場合に住民税の申告が必要です。
- 公的年金等の源泉徴収票に記載されている控除以外の各種控除の適用を受ける場合
- 公的年金などに係る雑所得以外の所得がある場合
住民税の申告を行うことで控除を受けられ、税負担の軽減につながる可能性があります。
5. おわりに
公的年金の受給者は、必ずしも全員が確定申告を行う必要があるわけではありません。一定の条件を満たせば「確定申告不要制度」によって手続きを省略することができます。
一方で、還付を受けたり年金以外の所得があったりする場合は確定申告を行う必要がある点はおさえておきたいポイントです。特に医療費控除や生命保険料控除などを受ける場合は、確定申告をしないことで税負担が増えてしまう可能性があるので注意しましょう。
税制は毎年のように見直しや変更が行われています。前年と同じ判断で済まさずに、最新の制度や控除の内容を確認することが大切です。
もし自分が確定申告不要制度の対象者であるかわからないときには、税務署などに直接問い合わせてみてください。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 国税庁「確定申告とは」
- 政府広報オンライン「ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度」
- 日本年金機構「令和6年分 公的年金等の源泉徴収票」
湯田 浩平