住宅ローンを組む際に必要な団体信用生命保険(団信)。健康状態の告知で「少しくらい隠しても大丈夫」と思っていませんか?

実は告知義務違反はバレる可能性が極めて高く、最悪の場合、保険金が支払われずに住宅ローンだけが残るという深刻な事態になります。本記事では、告知義務違反のリスクと正しい告知方法について詳しく解説します。

1. 告知義務違反のリスクとは?5つの深刻なペナルティを解説

団信加入の際、「告知義務違反はみんなやってるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、安易な判断は非常に危険です。告知義務違反がバレた際に考えられるペナルティにはどんなものがあるか、詳しく解説します。

1.1 保険金・給付金の支払い拒否

団信で最も重要な保障は、契約者が死亡や高度障害状態になった際の住宅ローン残債の免除です。しかし、万が一の際に告知義務違反が発覚すると、この保険金が一切支払われません。

結果として、のこされた家族が住宅ローンの返済義務を負うことになり、団信に加入した本来の目的が果たされなくなります。

1.2 契約の強制解除

告知義務違反が判明すると、保険会社は団信契約を一方的に解除する権利を持っています。

一般的には加入から2年以内の発覚で解除となりますが、故意の隠蔽や悪質性が認められる場合は、2年経過後でも契約取消となる可能性があります。

契約解除により団信の保障を失うことで、住宅ローンのリスクをすべて契約者と家族が負うことになります。

1.3 住宅ローンの一括返済請求

告知義務違反の悪質性によっては、金融機関から住宅ローンの一括返済を求められることがあります。数千万円の残債を一括で返済することは現実的に困難であり、結果として住宅を手放さざるを得なくなります。

告知義務違反の重大性や故意性が高いと判断された場合に一括返済を求められる可能性があり、単なる保険金の不払いを超えた深刻な問題となることを覚悟しなければいけません。

1.4 将来の保険加入への影響

一度告知義務違反の記録が残ってしまうと生命保険業界全体で情報が共有されるため、将来的な保険加入が非常に難しくなります。

住宅ローンの借り換えや新規保険契約の際に、過去の違反履歴を理由に審査で不利になることも考えられるため、告知義務違反は絶対にしてはいけません。

1.5 詐欺罪のリスク

故意による告知義務違反は詐欺行為とみなされ、刑事処分の対象となる可能性があります。実際の起訴例は少ないものの、「詐欺による契約の取消」として、これまで支払った保険料の返還も拒否される場合があります。