2. そもそも「吸引分娩」とは何か?
吸引分娩とは、出産がスムーズに進まなくなったときに、赤ちゃんの頭に吸引カップを装着して引っ張る方法です。
2.1 実施されるケース
吸引分娩は、赤ちゃんの頭部に吸引カップを装着して分娩を補助する医療処置です。以下の状況で実施されます。
- 子宮口全開大後の分娩進行停止
- 母体の疲労による娩出力低下
- 妊娠高血圧症候群や心疾患による娩出制限
- 胎児の心拍数低下による緊急性
2.2 リスクと安全性
吸引分娩には母体と胎児双方にリスクがあります。母体では会陰裂傷や膀胱麻痺のリスクがあり、胎児では頭部の圧迫による一時的な変形や皮下出血が生じる可能性があります。
ただし、胎児への影響は多くの場合一時的で、数日から数週間で自然回復します。産科ガイドラインでは、胎児への負担を考慮し、牽引は20分5回以内を目標としています。