出産時に行われる吸引分娩について、「費用はどのくらいかかる?」「医療保険の給付金はもらえるの?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
吸引分娩は異常分娩のひとつとされており、公的医療保険の適用対象となるケースがほとんどです。また、民間の医療保険に加入している場合、給付金を受け取れる可能性もあります。
1. 公的医療保険制度での取り扱いは?吸引分娩の保険適用をチェック
吸引分娩をした場合、保険が適用される可能性があります。公的医療保険と民間の医療保険について、吸引分娩が適用となるかそれぞれ見ていきましょう。
1.1 公的医療保険制度での取り扱い
吸引分娩は医学的に異常分娩に分類されるため、公的医療保険制度の適用対象となります。通常の正常分娩では全額自己負担となりますが、異常分娩の場合は3割負担に軽減されます。
吸引分娩の診療報酬点数は2550点で、費用は2万5500円です。公的保険適用により、実際の自己負担額は7650円となります。
ただし、医師が正常分娩の範囲内と判断した場合、吸引分娩であっても支払対象外となるため、注意が必要です。
1.2 民間医療保険での保障内容
民間の医療保険では、公的医療保険の適用を受けた治療について給付金を支給するのが一般的です。吸引分娩の場合、以下の給付金を受け取れる可能性があります。
受け取れる給付金の種類
- 入院日額給付金:入院期間に応じた日額給付
- 手術給付金:吸引分娩の手術に対する給付
- 入院一時金:入院時の一時金給付(特約を付加している場合)
- 女性疾病給付金:女性特有の疾病に対する上乗せ給付(特約を付加している場合)
例えば、入院日額5000円・手術給付金10倍の契約では、7日間入院した場合の給付金は約8万5000円(入院給付金3万5000円+手術給付金5万円)となります。
ただし、以下の場合は吸引分娩であっても支払対象外となる可能性があります。
- 保険会社が吸引分娩を含む異常分娩は保障対象外と定めている場合
- 異常妊娠、異常分娩に関する不担保の条件が付いている場合