10月は「年金支給月」であり、シニア世代にとってお金を意識するタイミングのひとつです。秋も深まり、家計の見直しや老後資金の計画を考えるにはぴったりの季節といえるでしょう。
60歳代は定年退職や年金受給開始など、ライフステージが大きく変化する時期のひとつです。
これから定年を迎える60歳代の方のなかには「会社を退職後に、生活を支えるお金がいくら必要なのか」意識し始めている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、60歳代の平均貯蓄額を中心に、シニア世帯の生活費目安や平均年金受給金額について紹介していきます。自身の状況と照らし合わせながら、老後の資金計画を立てる際の参考にしてみてください。
1. 【60歳代】還暦を迎えた世帯の平均貯蓄額はいくら?
60歳代の平均貯蓄額について、単身世帯と二人以上世帯に分けて紹介していきます。
1.1 単身世帯の場合
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、60歳代単身世帯の平均貯蓄額は以下の通りです。
※なお、これから確認する金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
【全体】
- 平均:1679万円
- 中央値:350万円
【保有額別の割合】
- 金融資産非保有:27.7%
- 100万円未満:8.9%
- 100~200万円未満:5.6%
- 200~300万円未満:3%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:2.8%
- 500~700万円未満:5.8%
- 700~1000万円未満:5.1%
- 1000~1500万円未満:8.2%
- 1500~2000万円未満:2.6%
- 2000~3000万円未満:6.1%
- 3000万円以上:16.8%
- 無回答:4.2%
1.2 二人以上世帯の場合
同じくJ-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、60歳代かつ二人以上世帯の平均貯蓄額は以下の通りです。
【全体】
- 平均:2033万円
- 中央値:650万円
【保有額別の割合】
- 金融資産非保有:20.5%
- 100万円未満:6.5%
- 100~200万円未満:5.3%
- 200~300万円未満:3.7%
- 300~400万円未満:3.1%
- 400~500万円未満:3.1%
- 500~700万円未満:6.3%
- 700~1000万円未満:5.3%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:5.8%
- 2000~3000万円未満:8.0%
- 3000万円以上:20.0%
- 無回答:3.6%
貯蓄100万円未満の世帯は単身世帯で約36%、二人以上世帯で約27%でした。一方で3000万円以上保有している世帯は単身世帯で約17%、二人以上世帯で約20%という結果になりました。
このデータから同じ60歳代でも貯蓄金額が二極化していると言えるでしょう。次章では、シニア世帯がどのくらいの家計収支で生活しているのか紹介していきます。