2. 日本の国民負担率、「2025年度は46.2%の見通し」
高齢化が具体的に私たちの家計にどう影響するか、次は「国民負担率」についてみていきます。国民負担率とは、個人の所得(国民所得)に対して、税金と社会保障費の負担がどれくらいの割合を占めているかを示す指標です。
厚生労働省が発表している「国民負担率(租税負担、社会保障負担)の推移」のデータから、その実態を見てみましょう。
この推移を見ると、私たちの負担の重さがわかります。1970年度には国民所得の24.3%だった負担の割合について最新の2025年度では、見通しで46.2%にまで上昇しています。
これは、私たちが稼いだお金の半分近くが、税金や社会保障費として差し引かれていることを意味します。給与明細を見たときに「こんなに引かれるの?」と感じるのは、決して気のせいではないのです。
特に増加が著しいのは、高齢化の進展と密接に関わる「社会保障負担」です。1970年度から2025年度見込みの間に、この社会保障負担が12.6ポイントも増えており、負担増加の最大の要因となっています。
また、グラフの最上段にある「財政赤字」(対国民所得比)は、現在の支出をまかなうために積み上がっている「隠れた借金」のようなもので、今の負担だけでなく、未来の世代にもツケが回っている状況が浮き彫りになります。
このように、家計を直撃している負担の増加は、主に現役世代へと集中しているのが現実です。