【70歳代】「貯蓄額・年金月額・生活費」平均はいくら？セカンドライフの実態を見てみる「平均寿命」と「健康寿命」どれくらい差がある？

2. 70歳代の「平均貯蓄額（平均・中央値）」はいくら？

J-FLEC（金融経済教育推進機構）「家計の金融行動に関する世論調査（2024年）」を参考に、70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額（金融資産を保有していない世帯を含む）を確認していきましょう。

※金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

【貯蓄額の円グラフ】70歳代・二人以上世帯

「70歳代・二人以上世帯」の平均貯蓄額は1923万円ですが、この数値は一部の高資産世帯によって押し上げられており、実際の貯蓄実態を必ずしも反映しているとは言えません。

一方、より生活実態を映しやすい中央値は800万円で、多くの世帯はこのあたりの水準に位置していることが分かります。

世帯ごとの貯蓄額の分布は次のとおりです。

70歳代・二人以上世帯で最も多いのは、金融資産を持たない「貯蓄0円」の層で、全体の20.8％を占めています。

3000万円を超える貯蓄を持つ世帯も19.0％存在しており、各世帯の資産状況には大きな差があることが見て取れます。

そのほかの層を見てみると、100万円未満が5.4％、100～200万円未満が4.9％、200～300万円未満が3.4％と、貯蓄水準が低い世帯も一定数存在します。

また、1000～1500万円未満が10.2％、1500～2000万円未満が6.6％、2000～3000万円未満が8.9％と、比較的まとまった資産を持つ世帯も。

このように貯蓄額には、退職金の有無、これまでの収入、相続、健康状態などが大きく影響し、また公的年金の受給額も現役時代の加入状況によって差が生じます。

貯蓄が十分でない世帯では、年金収入だけでは生活維持が難しくなるケースも考えられます。

老後の暮らしを安定させるためには、それぞれの世帯状況に合わせた計画づくりが欠かせません。

たとえば、健康なうちはパートなどで収入を補ったり、不動産収入や投資といった副収入を検討するなど、早めの備えが安心につながるでしょう。