秋風が心地よい10月。長寿化する日本においてセカンドライフの時間は長く、その過ごし方が重要になっています。年金を受け取りながら働くシニア世代が増える中、従来の制度ではカバーしきれなかった多様な働き方を支える新しい雇用保険制度に注目が集まっています。
今回は、働くシニア世代の安心を広げる「雇用保険マルチジョブホルダー制度」について詳しく解説します。
「セカンドライフの時間はどのくらい?」年金をもらいながら働くシニアの増加
令和6年簡易生命表によると、65歳の平均余命は男性が19.47年、女性が24.38年です。長寿化する日本では、長いセカンドライフを送ることになります。
仮に65歳の定年後22年間、食事や就寝時間を除いた1日14時間を自由時間とすると、その合計は11万2420時間にも上ります。これは、22歳から65歳までの現役時代の労働時間(1日8時間、年間250日、43年で8万6000時間と仮定)を大きく上回る時間です。
この長いセカンドライフを経済的な安定だけでなく、生きがいや社会とのつながりといった「やりがい」をもって送りたいと考えるシニア世代も増えています。
シニア世代の就業状況
この長い時間を自分らしく豊かに送るため、年金を受け取りながら働くシニア世代が増加しています。内閣府によると、65歳以上の就業者数・就業率は上昇し続けており、60歳代後半の男性は約6割が、女性は約4割が仕事をしている状況です。
働くシニアで仕事を掛け持ちして勤務することも珍しくなくなった今、65歳以上でも複数の職場を組み合わせて雇用保険に加入できる「マルチジョブホルダー制度」が、多様な働き方を支える制度として注目されています。