Z世代の多くが毎日欠かさず見ている情報源といえるのが、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。そんなSNSでは日々膨大な量の広告が流れており、Z世代は無意識のうちに広告に触れています。
しかし、本来は最適化されているはずの「Z世代向け」広告は、本当にZ世代によい印象を与えているのでしょうか。
今回は、Z世代の広告に対するリアルな本音を探ります。記事の後半では、日本の媒体別広告費の推移をデータからみていきましょう。
1. Z世代が広告に抱く「本音」とは? リアルな“違和感”の正体
Fiom合同会社が実施した「Z世代の広告のリアルについての実態調査」を見ていきましょう。
1.1 調査概要
- 調査名:Z世代の広告のリアルについての実態調査
- 調査対象:全国のZ世代(18歳~24歳)
- 調査期間:2025年8月
- 調査方法:インターネットを利用したアンケート調査
- 有効回答数:n=253
- 調査分析:Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)(運営:Fiom合同会社)
1.2 なんと6割が「うんざり」、Z世代の広告への冷めた視線
企業のSNS広告やキャンペーンを見て「これは大人が考えた"Z世代向け"だな…」と感じ、そのブランドに興味を失ったり、少し距離を感じたりした経験はありますか?
- たまにある:45%
- あまりない:26%
- よくある:16%
- ない:13%
「企業広告を見て『これは大人が考えたZ世代向けだな…』と感じ、ブランドに興味を失ったり、距離を感じたりした経験はありますか?」という問いに対して「よくある」が16%、「たまにある」が45%で、実に61%が「うんざりした経験がある」と回答しました。
そのような経験が「ない」と回答した人が13%しかいないことからもわかるように、Z世代の身の回りにはうんざりしてしまう広告がたくさんあることがわかります。
Z世代にとっての“広告離れ”は、情報そのものを拒絶しているわけではないと考えられます。むしろ、自分たちを理解していない語り口や目線に対する防御反応といえるかもしれません。
次章では、そんなZ世代が広告を見た後にどのような感情と行動をとるのかを見ていきましょう。