4. 年金額は毎年度改定がある!2025年度の年金額は1.9%増額でも「実質目減り」となった理由
公的年金の額は、毎年度の賃金や物価の変動をもとに見直されます。
2025年度(令和7年度)の年金額は前年度と比較して+1.9%の引き上げとなります。
3年連続でのプラス改定となりましたが、「マクロ経済スライド(※)」という仕組みにより、改定率は物価上昇率を下回っており、実質的な価値は目減りしているのが現状です。
つまり、年金額の伸びが物価の上昇に追いついていない状態といえます。
※マクロ経済スライドとは、公的年金の被保険者数(現役世代)の変動と平均余命の伸びを基に設定された「スライド調整率」を使い、賃金や物価が上昇した場合に改定率からその分を差し引く仕組みです。
また、多くの高齢者は、以下の税金や社会保険料を老齢年金からの天引きで納付しています。
- 介護保険料
- 公的医療保険(国民健康保険・後期高齢者医療制度)の保険料
- 個人住民税および森林環境税
- 所得税および復興特別所得税
将来の年金見込み額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できますが、年金は額面全額を受け取れるわけではないという点は、見落としがちなポイントかもしれません。