2025年も師走に入り、寒さが一段と厳しくなってきました。年末に向けて、家計の整理や来年の計画を立てている方も多いのではないでしょうか。
公的年金は偶数月に支給され、次回の支給日は12月15日です。物価の上昇が続くなか、この支給を機に生活費の見直しを検討する方もいらっしゃるでしょう。
実は、年金受給者のうち一定の要件を満たす方には、年金に上乗せして「年金生活者支援給付金」が支給される制度があります。これは2019年に始まった恒久的な支援で、毎年の所得状況によって対象者が決まります。
本記事では、厚生労働省の情報などに基づき、年金生活者支援給付金の基準額、対象となる方の条件、そして請求手続きの方法について、わかりやすくご紹介します。
1. 年金生活者支援給付金の基準額とは?一人あたり1万900円が支給される場合も
「年金生活者支援給付金」は、基礎年金を受給している方のうち、年金収入やその他の所得が一定の基準額を下回る場合に支給されるものです。
この給付金は、2カ月に一度の公的年金の支給日に、年金本体に上乗せされる形で支払われます。恒久的な制度であるため、支給要件を満たし、一度請求手続きを行えば、継続して受け取ることが可能です。
給付金は、受給している基礎年金の種類に応じて以下の3つに分類され、それぞれ支給の条件や金額が定められています。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
1.1 2025年度は2.7%増額!年金生活者支援給付金の目安額
年金生活者支援給付金の給付基準額は、毎年度見直しが行われます。2025年度は、前年度から2.7%の引き上げとなりました。
【2025年度の月額基準】
- 老齢年金生活者支援給付基準額:5450円
- 障害年金生活者支援給付金:1級 6813円、2級 5450円
- 遺族年金生活者支援給付金:5450円
老齢年金生活者支援給付金の場合、この基準額を基に、保険料を納付した期間などに応じて実際の給付額が計算されます。
この給付金は2カ月に一度、前月分と前々月分がまとめて支給されます。例えば、老齢年金生活者支援給付金を基準額通りに受け取れる場合、次回の支給日には10月と11月の合計である「1万900円」が支給される計算になります。
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024年3月時点での平均給付月額(※)は以下の通りです。
- 老齢年金生活者支援給付金:4014円
- 障害年金生活者支援給付金:5555円
- 遺族年金生活者支援給付金:5057円
※2024年3月時点で認定されている方の平均給付月額です。
