自民党は先週末4日の投開票で高市早苗氏を第29代総裁に選出しました。就任会見では、所得税の減税と現金給付を組み合わせた「給付付き税額控除」の具体化に向け、党内で議論を始める意向を表明しました。

この「給付付き税額控除」とは何か、わかりやすく解説します。

1. 給付付き税額控除とは何?「減税と給付で生活を支援」

まずは、記者会見の質疑応答における「給付付き税額控除」の政策について、以下の通り発表されていました。

【給付付き税額控除】
給付付き税額控除は私の持論だ。社会保険料の逆進性を考えると最もメリットがあり、中所得、低所得の方々を応援する方法だ。総裁が何もかも自分の政策を押しつけることはしないが、議論の課題として政務調査会長にお願いしたい。
給付付き税額控除はすぐできるものではない。制度設計をして対象をどうするか決め、所得の捕捉も必要で、システムも作らなければならず、数年単位かかるものであり、しっかり政調で議論してほしい。

出所:自民党お知らせ「もう一度信頼される自民党に 高市新総裁が就任会見」より引用

「給付付き税額控除」とは、個人の所得に応じて所得税の納税額から一定額を差し引く(減税)制度であり、減税と給付で生活を支援するしくみです。さらに、減税額よりも所得税の納税額が少ない、所得の少ない人に対しては、その差額を給付金として支給します。

例えば、控除額を10万円と設定した場合、所得税の納税額が30万円の人は10万円が差し引かれて20万円を納税します。一方、所得税が8万円の人は納税額がゼロになり、さらに差額の2万円が給付されます。もともと所得税を納めていない人には、控除額全額の10万円が給付されるという仕組みです。これにより、所得の少ない人に対する支援を厚くすることができます。

立憲民主党「給付付き税額控除」も含む物価高対策

立憲民主党「給付付き税額控除」も含む物価高対策

出所:立憲民主党「【代表会見】「物価高から、あなたを守り抜く」参院選挙政策発表」

立憲民主党も7月の参院選公約でこの制度を訴えるなど、野党側も関心を示しています。