2025年10月4日、高市早苗氏が新総裁として就任会見を行い、経済政策「給付付き税額控除」について、党内で具体化に向けた検討を進める方針を示しました。
📌もう一度信頼される自民党に
— 自民党広報 (@jimin_koho) October 7, 2025
高市新総裁が就任会見
国民に寄り添った政策打ち出す 政治改革さらに推進… pic.twitter.com/5aAvwvqYTO
高市総裁はこの制度を「社会保険料の逆進性、つまり低所得者ほど負担が重くなる構造を踏まえ、中・低所得層を最も効果的に支援できる仕組み」と説明しています。
この政策が注目される最大の理由は、従来の減税では恩恵を受けにくかった世帯、すなわち所得税を納めていない人にも現金で支援が届く点にあります。さらに、高所得者層との公平性にも配慮した設計となっていることが、税制改革としての大きな特徴です。
では、この「給付付き税額控除」が導入されると、私たちの暮らしにはどのような変化が生まれるのでしょうか。
本記事では、制度の仕組みと導入の目的をわかりやすく解説します。加えて、現在各自治体で手続きが進められている「定額減税補足給付金(不足額給付)」についても詳しく取り上げます。
1. 「給付付き税額控除」ってなに?仕組みとポイント
「給付付き税額控除(きゅうふつきぜいがくこうじょ)」というのは、簡単に言えば、「減税」と「現金給付」をセットにした仕組みです。
普通の税額控除は、払う税金から一定額を差し引くだけでした。所得が低くてそもそも税金をほとんど払っていない人は、その恩恵を受けにくいという問題がありました。
この制度では、その「控除しきれない分」を現金で給付します。つまり、税金を払っていない人でも支援が届くのが最大の特徴です。
1.1 【例】控除額を4万円とした場合のイメージ
この制度がどのように機能するのかを、具体的なケースで確認しましょう。
※以下の数値はシミュレーションです。
【高所得層】Aさんの場合
- 所得税の納税額:5万円
- 控除額:4万円
- 給付額:なし
- 結果:税額が1万円に減る
- メリット:税負担が軽くなる
【中所得層】Bさんの場合
- 所得税の納税額:4万円
- 控除額:4万円
- 給付額:なし
- 結果:税額 ゼロ
- メリット:税負担がなくなる
【低所得者層】Cさんの場合
- 所得税の納税額:2万円
- 控除額:4万円
- 給付額:2万円
- 結果:税額ゼロ+2万円給付
- メリット:税負担ゼロ(2万円の節税)、さらに2万円の現金給付(実質的な収入増)
【非課税世帯】Dさんの場合
- 所得税の納税額:0円
- 控除額:4万円
- 給付額:4万円
- 結果:全額給付
- メリット:税負担なし、4万円の給付
このように、所得が低いほど「給付」が増える仕組みになっています。高所得者は減税のみ、中・低所得者や非課税世帯は現金給付も受けられるので、支援が公平に行き渡るのがポイントです。
次章では、現金給付ではなく「給付付き税額控除」が検討されている背景についても見ていきましょう。
2. なぜ「現金給付」ではなく「給付付き税額控除」なの?
単なる「現金給付」ではなく、あえて「給付付き税額控除」を検討する理由は、短期的な支援ではなく、長期的に働く人や家庭の生活基盤を守る仕組みにあります。
高市総裁が「数年かかる」と言いつつ推進するのも、その長期的な意義を踏まえてのことです。
では、順を追って整理します。
2.1 「給付付き税額控除」が検討される理由1:従来の減税では届かない層を支援できる
従来の税額控除や減税は、そもそも「税金を払っていること」が前提です。ただし、低所得者の中には、税金をほとんど払っていない人もいます。
たとえば、税額がゼロの人に「4万円減税」と言っても意味がないのです。
一方、一律給付は確かに全員に支援が届きますが、高所得者にも同額が渡るため、効率が悪くなります。
「給付付き税額控除」なら、控除しきれない分を現金で給付する仕組みにより、税金を払っていない人にも支援が届き、さらに所得に応じて支援額を調整できるので、最も困っている層に集中して支援できるのです。
2.2 「給付付き税額控除」が検討される理由2:消費税・社会保険料の「逆進性」を緩和
日本の税制には、消費税や社会保険料が所得の低い人ほど負担が重くなる「逆進性」という問題があります。「給付付き税額控除」は、この逆進性を緩和する仕組みです。
「給付付き税額控除」は、低所得者ほど恩恵が大きくなる設計になっており、高所得者は控除のみ、低所得者は控除と給付、非課税世帯は給付のみとなります。
一律給付では、この構造的な不公平を根本的に是正することはできませんでしたが、「給付付き税額控除」なら税制そのものに再分配機能を組み込むことで、持続的な公平性を確保できるのです。
この「給付付き税額控除」とは別の施策になりますが、10月現在も給付が進んでいる給付金があります。それが「定額減税補足給付金(不足額給付)」です。
次章ではこの「定額減税補足給付金(不足額給付)」について解説します。
3. 【現行の給付金・減税制度】「定額減税補足給付金(不足額給付)」とは
現在、2024年の定額減税で引ききれなかった分を現金で給付する「定額減税補足給付金(不足額給付)」の支給が、各自治体で順次始まっています。
この給付金は、対象になるのは所得が低い人だけではありません。
- 年の途中で退職した
- 転職した
- 扶養家族が増えた
など、定額減税の恩恵を十分に受けられなかった人も対象となる可能性があります。
とはいえ、具体的な対象者が複雑なため「自分がもらえるのかわからない」と感じている人も少なくありません。
2024年の定額減税では、1人あたり所得税3万円と住民税1万円、合計4万円の減税が実施されました。
しかし、さまざまな事情によりこの減税の恩恵を十分に受けられなかった世帯もあります。
そうした世帯を対象に、2025年度に支給されているのが「定額減税補足給付金(不足額給付)」です。
4. 【ケース例を紹介】どんな人が「定額減税補足給付金(不足額給付)」を受け取れる?
定額減税補足給付金(不足額給付)は、「不足額給付Ⅰ」と「不足額給付Ⅱ」の2種類に分けられます。
まず「不足額給付Ⅰ」は、次のようなケースが対象となります。
- 税額の更正などにより住民税所得割額が減少した
- 扶養親族が増えた
- 所得が減少し、2024年分推計所得税額(2023年中所得)が実際の2024年分所得税額(2024年中所得)を上回った
- 2024年中に就職し、所得が発生した
これは、本来支給されるべき金額と初回の調整給付額に差が生じた場合に支給されるものです。
一方、「不足額給付Ⅱ」は、次の3つの条件をすべて満たした場合に支給対象となります。
- 税制度上「扶養親族」の対象外
- 令和6年分所得税、令和6年度住民税所得割ともに非課税
- 低所得世帯向け給付の対象世帯の世帯主・世帯員に該当しない
上記のケースに該当する人は、そもそも減税対象となる税金がないため、当初の定額減税の恩恵を十分に受けることができませんでした。
ただし、3つの条件をすべて満たす場合は、今回一律の定額給付を受けられる可能性があります。
5. 対象の場合「定額減税補足給付金(不足額給付)」をいくら受け取れる?
不足額給付Ⅰに該当する場合、支給される金額は「2025年度に算出された調整給付所要額が、2024年に行われた定額減税調整給付額を上回った差額」です。
なお、差額が1万円単位で支給され、仮に下回った場合でも返還する必要はありません。
一方、不足額給付Ⅱに該当する場合は、基本的に4万円が支給されます。
ただし、すでに当初の調整給付金を受け取っている人は、所得税分の3万円からその受給額を差し引いた金額が支給されます。
6. まとめにかえて
「給付付き税額控除」は、従来の減税では支援が届かなかった低所得層や非課税世帯にも恩恵を届け、消費税や社会保険料の逆進性という構造的な不公平を是正する、持続的な仕組みです。
一方、定額減税補足給付金は、2024年度の定額減税で控除しきれなかった分を補う一時的な救済策で、申請期限が10月末に迫っている自治体が多くあります。
対象者には確認書や案内が届いているはずなので、申請が必要な方は忘れずに手続きを済ませてください。
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※自治体によって対象やスケジュールが異なるケースがあります。必ずお住まいの情報をご確認ください。LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。





