日本株や金が史上最高値を更新し続けている裏側で、10月、暗号資産(仮想通貨)の価格は大きく下落しました。
価格が大きく落ち込んだ今、「これを機に暗号資産取引を始めてみたい」と考えている方もいるかもしれません。
「暗号資産(仮想通貨)は危険だ」「手を出すな」という声も根強いですが、最近では金融庁が「一定の暗号資産を資産形成に資する金融商品」として扱う可能性を提案しています。
もし実現したとしても、暗号資産には高いボラティリティや制度の未整備などのリスクもあります。
本記事では、金融庁の要望案をもとに、暗号資産への投資をやるべきかどうか、その判断軸と注意点を整理していきます。
1. 暗号資産への世論と現状
過去10年で暗号資産(仮想通貨)は急速に注目を集め、取引所や関連事業も拡大してきました。
しかしその裾野の広がりに比べ、一般投資家の認知・理解は追いついていないことも多く、「詐欺」「暴落」といったネガティブなイメージが根強く残っています。
また、現行制度下では暗号資産から得られる利益の税制が他の金融商品と異なる点も、投資をためらう大きな要因です。
具体的には、暗号資産投資の利益は雑所得として総合課税の対象となり、株式や投資信託のように損益通算ができません。
そのため、損失が出ても他の金融所得から差し引くことができず、税負担が高くなる場合がある点が特徴です。