5. 暗号資産の位置づけと投資スタンス
「暗号資産はやめておけ」という意見には、安全性や税制面から一定の根拠があります。
ただし、制度が整備される方向である今、完全に否定するのではなく、慎重に選んで運用するという姿勢も選択肢として考えられます。
ポイントは、投資対象を制度整備が整った銘柄に限定すること、余裕資金で分散投資すること、税務上の扱いを理解しておくことです。
もしリスクを知らないままに、株や投資信託と同じように安易に投資してしまうと、後々「こんなはずではなかった」と後悔することになるかもしれません。
6. まとめにかえて
暗号資産には大きなリスクが存在し、特に税制の特殊性により資産形成商品としては扱いにくい面があります。
しかし、金融庁が「一定の暗号資産を資産形成商品として位置づける」方向性を示しており、制度整備が進めば投資家保護を伴った運用が可能になる可能性があります。
現時点では、価格変動リスク・制度不確実性・税制面の制約を踏まえ、投資を検討する場合は十分な情報収集とリスク管理が不可欠です。
参考資料
- 金融庁 金融審議会総会「暗号資産を巡る制度のあり方に関する検討について」
- 金融庁「事務局説明資料(暗号資産に係る規制の見直しについて)」
- 金融庁「暗号資産に関する相談事例等及びアドバイス等」
- 金融庁「令和8(2026)年度税制改正要望について」
和田 直子