1. 日経平均は「利上げ織り込み済み」の想定内で買われる

2025年12月19日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日比505円71銭高の4万9507円21銭となりました。日銀は19日まで開いていた金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物レートの誘導目標を0.25%引き上げて0.75%程度とすることを決めました。ただ、今回の利上げは織り込み済みで、イベント通過の安心感から会合結果発表後は買われる展開となりました。銀行銘柄のほか、前日の米ハイテク株高を受け、ソフトバンクグループなどの値がさ株が上がりました。

今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、終値は前日比183ドル04セント高の4万8134ドル89セントでした。ハイテク株は前週末から今週半ばにかけて、AI関連事業を巡る先行きの不透明感から下げていましたが、トランプ米政権がエヌビディアのAI半導体「H200」の対中輸出承認に向けた審査を始めたと始めたと伝わり、業績向上への期待から材料視されました。オラクルは、中国発の動画共有アプリ「TikTok」の米国事業について運営企業との合弁事業に合意したことが発表され買われました。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数も上げています。日本株も週初から底堅い展開になることが期待されます。AIの開発に向けては国内でも国内でも、経済産業省が5年間で1兆円規模の支援を計画していると伝わっています。半導体関連銘柄も物色されそうです。

気になるのは為替相場の動向です。日銀が利上げを決めたのにもかかわらず、円が売られ、外国為替市場では1ドル=157円台後半まで円安傾向となっています。市場では、日銀の植田和男総裁が追加利上げに慎重と受け止めたと見られています。口先介入も含め、政府・日銀の円買い介入なども警戒されるところで足元では神経質な動きになりそうです。今週は重要イベントが少ないことに加え、クリスマス休暇に入る市場参加者も多いため、急な値動きになることもあるので注意したいところです。

気になるのは為替相場の動向です。日銀が利上げを決めたのにもかかわらず、円が売られ、外国為替市場では1ドル=157円台後半まで円安傾向となっています。

日経平均株価

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