4. 「終活はいつからはじめる?」今をより良く生きるために大切なこと

終活に「早すぎる」ということはありません。老後の漠然とした不安を解消し、「今」をより良く生きるための計画として、思い立ったその瞬間から始めるべきでしょう。

今回はNPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)「第2回終活意識全国調査」の結果をもとに、終活の現状と「生きるための準備」としての側面を解説しました。終活の言葉は知られていても、そのイメージは「亡くなったときのための準備」というネガティブなものが、全体の7割以上と多数派を占めています 。

しかし、高齢になるほど、終活を「人生の後半期を生き生きと過ごすための準備」と前向きに捉える人の割合が高くなっています 。事前に準備を整えることで、将来の漠然とした不安を解消し、「今」を自分らしく、より生き生きと過ごすことができるでしょう。

特に、老後の不安を抱える「おひとりさま」にとって、自治体が提供する葬儀や納骨の支援サービスは大きな安心材料となります。この記事で紹介したような自治体支援や、エンディングノートの活用は、あなたの将来の意思を明確にし、家族や支援者とのコミュニケーションのきっかけにもなります。

「まだ早い」と感じる方もいるかもしれませんが、終活は特別なことではありません。老後の住まい、介護、財産、友人とのつながりなど、具体的な不安をリストアップし、一つずつ準備を始めることこそが、「自分らしい未来」を描く第一歩です。この機会に終活を「今をより良く生きるための計画」として考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

NPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)「第2回 終活意識全国調査 報告書(2024年調査・2025年公開)」
兵庫県高砂市「エンディングプラン・サポート事業」
神奈川県横須賀市「終活支援センター」

村岸 理美