4. 「給与に不満・不安を持った経験がある」85.0%も
また、パーソルキャリア株式会社による別の調査によると、働く男女の85.0%が「給与」に関する不満や不安を持った経験があると回答したこともわかっています。
- ある派:85.0%
- ない派:15.0%
自由回答も見ていきましょう。
- 同期と同じ給料なのに、仕事量も責任の度合いも自分の方が遥かに多くモヤっとした
- ブラックな環境も当たり前だった氷河期世代。仕事量や環境にも耐えてきて今の賃金か…となる
- 氷河期世代だが、就職や正社員登用に悩まされてきた。今年の新卒の初任給を見ると納得しにくい
また、給与への直接的な評価がされにくいと感じた経験がある派は84.0%、ない派は16.0%という結果に。
「上司へのアピールや、自分から売り込みに行かないと評価されず、普段からの頑張りは評価されない」という声もあがっており、ここでも人事評価への不満が少なからずあることがわかります。
企業によって評価体系は異なりますが、給与と密接に関わる評価制度である以上、歯がゆい思いをする人は少なくないかもしれません。
5. まとめ:キャリアを考えるときにはあらゆる視点で
2025年9月26日に公表された国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は478万円となり、この10年で約57万円の増加となりました。
しかし、正社員の平均545万円に対し、非正規社員では206万円と大きな格差が存在します。また、男女別や年齢別にも給与水準には大きな差が見られます。
一方、個人に焦点を当てると、給与と密接に関わる人事評価に不満を感じた経験がある人が69.6%と過半数を占めています。
さらに、85.0%もの人が「給与」に関する不満や不安を持った経験があると回答。評価を上げるために上司へのアピールを増やすなど、「アピール疲れ」を感じる人もいるようです。
平均年収が底上げされた一方で、仕事量や責任、世代間の格差、また評価制度への不満など、個々が賃上げを実感しにくい、あるいは歯がゆい思いをしている実情が浮き彫りになりました。
給与改善の手段として「転職」も積極的に視野に入れる人が多く、企業側の評価制度の在り方が改めて問われているといえるでしょう。
参考資料
太田 彩子