2025年9月26日、国税庁より「令和6年分 民間給与実態統計調査」が公表されました。

日本の平均年収は最新データで478万円となり、昨年度の460万円を大きく上回っています。

この30年、日本の平均年収はほぼ変わらず推移していましたが、最低賃金の上昇もあいまって、少しずつ底上げが実現しているようです。

平成9年の平均年収「467万円」もようやく上回りました。

しかし、個人単位では賃上げを実感する人は多くないかもしれません。

本記事では、国税庁の最新資料を見ていくとともに、調査結果から会社員の給与に対する本音も見ていきましょう。

1. 【最新】日本の最新の平均年収は478万円に上昇

2025年9月26日に公表された国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は478万円になりました。

最新の日本の平均年収1/4

最新の日本の平均年収

出所:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」

平均年齢は47.2歳、平均勤続年数は12.6年です。

2014年では420万9000円だったので、この10年で約57万円上昇したことになります。

男女別や正社員・非正規ごとにも見ていきましょう。

2. 平均年収は478万円だが「非正規」はいくら?

平均だけでは見えてこない実情を把握するために、資料をさらに細かく見ていきます。

2.1 正社員(正職員)の平均年収

  • 全体:545万円
  • 男性:609万円
  • 女性:430万円

2.2 正社員(正職員)以外 の平均年収

  • 全体:206万円
  • 男性:271万円
  • 女性:174万円

正社員と正社員以外では、上記の通り大きな差があるのが現状です。男女別や年齢別にも見ていきましょう。

2.3 男女別の平均年収

  • 男性:587万円(対前年比3.2%増)
  • 女性:333万円(対前年比5.5%増)

2.4 年齢別の平均年収

  • 19歳以下:118万円
  • 20〜24歳:277万円
  • 25〜29歳:407万円
  • 30〜34歳:449万円
  • 35〜39歳:482万円
  • 40〜44歳:516万円
  • 45〜49歳:540万円
  • 50〜54歳:559万円
  • 55〜59歳:572万円
  • 60〜64歳:473万円
  • 65〜69歳:370万円
  • 70歳以上:305万円

3. 「人事評価に不満」半数以上にのぼる

日本の平均年収は上昇傾向にあるものの、個人の捉え方は異なります。

給与と密接に関わる「人事評価」ですが、不満を抱える方は少なくないようです。

2025年9月29日、転職サービス「doda」 などを提供するパーソルキャリア株式会社が運営する調査機関 『Job総研』が、『2025年 人事評価の実態調査』を公表しました。

こちらによると、人事評価に不満を感じた経験が「ある派」は69.6%と、過半数を占めています。

AIによる評価に期待する声として「公平で客観的な判断」「上司の主観を減らす」などがあるため、裏を返せばこうした不満を現行の評価制度に感じているようです。

給与をあげるためには、人事評価での昇格昇給を待つ以外に「転職」も選択肢のひとつとなります。同調査では、評価で昇格昇給を待つ人は31%に。

「断然転職」が17.9%、「転職」が16.1%、「どちらかといえば転職」が35.0%になり、転職派は69.0%となりました。

実は、人事評価のために普段「上司の意向に積極的に従う(29.9%)」、「上司へのアピールを増やす(27.6%)」、「資料などを丁寧に作成する(23.0%)」などをする人も少なくありません。

58.6%が「評価のためにアピールする」としている中、「アピール疲れを感じる」という人も32.3%にのぼり、転職も視野に入ることがうかがえます。

ただし、82.1%という大多数が「アピールは評価に活きている」と回答していることから、一定の成果はあると考えられます。

4. 「給与に不満・不安を持った経験がある」85.0%も

また、パーソルキャリア株式会社による別の調査によると、働く男女の85.0%が「給与」に関する不満や不安を持った経験があると回答したこともわかっています。

給与に関する不満・不安を持った経験の割合4/4

給与に関する不満・不安を持った経験の割合

出所:パーソルキャリア株式会社「Job weeQで「給与」のリアルを募集しました」

  • ある派:85.0%
  • ない派:15.0%

自由回答も見ていきましょう。

  • 同期と同じ給料なのに、仕事量も責任の度合いも自分の方が遥かに多くモヤっとした
  • ブラックな環境も当たり前だった氷河期世代。仕事量や環境にも耐えてきて今の賃金か…となる
  • 氷河期世代だが、就職や正社員登用に悩まされてきた。今年の新卒の初任給を見ると納得しにくい

また、給与への直接的な評価がされにくいと感じた経験がある派は84.0%、ない派は16.0%という結果に。

「上司へのアピールや、自分から売り込みに行かないと評価されず、普段からの頑張りは評価されない」という声もあがっており、ここでも人事評価への不満が少なからずあることがわかります。

企業によって評価体系は異なりますが、給与と密接に関わる評価制度である以上、歯がゆい思いをする人は少なくないかもしれません。

5. まとめ:キャリアを考えるときにはあらゆる視点で

2025年9月26日に公表された国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は478万円となり、この10年で約57万円の増加となりました。

しかし、正社員の平均545万円に対し、非正規社員では206万円と大きな格差が存在します。また、男女別や年齢別にも給与水準には大きな差が見られます。

一方、個人に焦点を当てると、給与と密接に関わる人事評価に不満を感じた経験がある人が69.6%と過半数を占めています。

さらに、85.0%もの人が「給与」に関する不満や不安を持った経験があると回答。評価を上げるために上司へのアピールを増やすなど、「アピール疲れ」を感じる人もいるようです。

平均年収が底上げされた一方で、仕事量や責任、世代間の格差、また評価制度への不満など、個々が賃上げを実感しにくい、あるいは歯がゆい思いをしている実情が浮き彫りになりました。

給与改善の手段として「転職」も積極的に視野に入れる人が多く、企業側の評価制度の在り方が改めて問われているといえるでしょう。

参考資料

太田 彩子