みなさんが飲食店を探す際には、どのような媒体を調べているでしょうか。グルメサイトや地図アプリを見ている方も、少なくないかもしれません。
Z世代が飲食店を探す際にチェックしているといわれるのが、InstagramやTikTokなどのSNS。一口に「SNS」といっても、特徴から使い方まで様々です。
それでは、Z世代がお店を探す際には具体的にどのようなツールが使われ、どのような情報が決め手となっているのでしょうか。今回はZ世代に対する調査をもとに、SNSでの飲食店探しについて見ていきましょう。
1. グルメサイトよりSNS?Z世代「飲食店探し」最新事情
今回は、StoreProが行った「Z世代の飲食店選びにおけるSNSの影響力と活用実態」に関する調査結果をもとに、その実態に迫ります。
1.1 調査概要
- 調査期間:2025年8月13日(水)~2025年8月15日(金)
- 調査方法:PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
- 調査人数:1,012人
- 調査対象:調査回答時にSNSを参考に飲食店を選んだことがある18歳〜28歳の男女(Z世代)と回答したモニター
- 調査元:StorePro(https://store.cloudil.jp/)
- モニター提供元:PRIZMAリサーチ
1.2 映えも重要!Z世代の過半数が選ぶのは「Instagram」
飲食店を探す際に最もよく利用するSNS・媒体はどれですか?
- Instagram:52.2%
- TikTok:15.3%
- グルメサイト(食べログ、ホットペッパーグルメなど):9.8%
- YouTube:7.3%
- Googleマップ:7.3%
- X(旧Twitter):6.4%
- 友人・知人の口コミ: 1.5%
飲食店を探すのはどのようなタイミングが多いですか?
- 週末や休日の予定を立てるとき:51.5%
- 友人や家族と食事の約束をしたとき:44.4%
- 外食する直前・当日:39.4%
- 旅行や遠出の計画を立てるとき:34.8%
- SNSや動画で気になった店を見つけたとき:23.8%
- 特に決まったタイミングはない:3.8%
飲食店を探す際に最も利用するSNS・媒体を尋ねたところ、52.2%と過半数が「Instagram」と回答しました。
「グルメサイト(食べログ・ホットペッパーグルメなど)」の9.8%を大きく上回っており、Z世代にとってInstagramが飲食店探しの中心的なツールであることが明らかになりました。
また、飲食店を探すタイミングは「週末や休日の予定を立てるとき」が51.5%と最も多く、次いで「友人や家族と食事の約束をしたとき」が44.4%であり、事前に計画を立てて探す傾向が強いことがわかります。
同年代のSNSユーザーによる写真や動画で、店舗全体の雰囲気やメニューをチェックするのが主流の様子。特に、休日の予定や友人との食事に合わせて探す際、ビジュアルの安心感が大きな決め手になっているのでしょう。
次の章では、なぜグルメサイトが徐々に使われなくなり、SNSへ移行しているのかを掘り下げていきます。
2. 【解説】なぜZ世代がグルメサイトを離れ、SNSへ移行していくのか
Z世代が飲食店を探すとき、もはやグルメサイトよりSNSが主流になりつつあるようです。気になるその理由を紐解いていきましょう。
グルメサイトを「使わなくなった/見なくなった」理由・飲食店探しでSNSを参考にする理由2/4
出所:【Z世代の飲食店探しはSNSで完結?】Instagramの視覚訴求と保存性がZ世代に圧倒的人気!|StorePro
2.1 グルメサイトよりもSNSを重視する理由トップは「雰囲気が伝わりづらい」
グルメサイトや食べログを『使わなくなった/見なくなった』経験はありますか?その理由は何ですか?
- 使わなくなった/見なくなった経験はない:23.7%
- 雰囲気が伝わりづらい:18.0%
- 動画やSNSの方がリアルに感じる:16.8%
- 情報が古く感じる:16.7%
- 知りたい情報にたどりつきにくい:15.0%
- PRのようで信頼できない:13.3%
- SNSの方が楽しく情報収集できる:13.0%
ではなぜ、Z世代はグルメサイトよりもSNSを重視するのでしょうか。
グルメサイトを「使わなくなった/見なくなった」経験がある人に、その理由を尋ねると「雰囲気が伝わりづらい」が18.0%、「動画やSNSの方がリアルに感じる」が16.8%、「情報が古く感じる」が16.7%でした。
「雰囲気が伝わりづらい」「情報が古い」といった理由でグルメサイトが敬遠される一方、動画や写真で直感的にお店を判断できるとされるSNSが人気となったようです。
Z世代にとって「流行に遅れまいとする情報収集」そのものが価値。SNSを眺めながら次の予定を立てる行為自体が体験の一部になっているのかもしれません。
2.2 Z世代が「SNSによる店探し」で重視するのは雰囲気と料理のリアル感
飲食店を探す際に、SNSを参考にする理由として近いものはどれですか?
- お店の雰囲気や店内の様子が伝わるから:45.7%
- 料理の見た目や量がわかりやすいから:44.7%
- 実際の体験レビューとして信頼できるから:28.7%
- メニューや価格が具体的に紹介されているから:26.0%
- 検索するより楽に情報を得られるから:18.5%
- 動画のコメント欄で他の人の意見も見られるから:17.6%
- 料理を食べている様子やリアクションが参考になるから:16.6%
一方、SNSを参考にする理由としては「お店の雰囲気や店内の様子が伝わるから」が45.7%で最も多く、次いで「料理の見た目や量が分かりやすいから」が44.7%で続きました。
情報の鮮度や動画や写真による雰囲気の伝わりやすさを理由に、Z世代がSNSを参考にしているとわかります。SNSは疑似体験を可能にしてくれるツールとして信頼されているといえるでしょう。
Z世代は「口コミの星の数」よりも「リアルな写真や動画」に安心感を持つのかもしれません。気のおけない友人と行くお店は、画面越しに雰囲気を確かめて決めるプロセスが当たり前になりつつあるようです。
次の章では、そんなSNSのなかでも誰の投稿を参考にしているのか注目してみましょう。
3. 【注目】飲食店公式SNSとインフルエンサー、参考にされるのは?
Z世代はSNSの中でもどのような発信者を重視しているのでしょうか。
飲食店公式のSNSとインフルエンサーのSNS、どちらを参考にすることが多いかという問いでは「公式SNSを参考にすることが多い」が53.3%とわずかに上回りました。
3.1 Z世代が参考にするのは、安心できる「飲食店の公式SNS」に軍配
飲食店の公式SNSとインフルエンサーのSNSの参考にする割合・飲食店の公式SNSを参考にしている理由3/4
出所:【Z世代の飲食店探しはSNSで完結?】Instagramの視覚訴求と保存性がZ世代に圧倒的人気!|StorePro
飲食店の公式SNSとインフルエンサーのSNS、どちらを参考にしますか?
- 公式SNSを参考にすることが多い:53.3%
- インフルエンサーのSNSを参考にすることが多い:46.7%
詳細:参考にしている理由を教えて下さい
- おすすめメニューの紹介:50.3%
- 限定メニューやキャンペーン情報:28.8%
- 店内や調理の様子:27.6%
- お客様のリアルな声や体験談:25.9%
- 注文方法や価格などの具体的な案内:24.9%
- 混雑状況や待ち時間の情報:14.9%
- 料理を食べる様子やリアクション動画:14.7%
インフルエンサーの体験談は共感しやすいものの、公式SNSの「最新情報」は訪れるうえで安心材料になります。Z世代は両方をバランスよくチェックして、自分なりに判断しているといえるでしょう。
ちなみに、参考にしている理由として最も多かったのは「おすすめメニューの紹介」で50.3%にのぼりました。「限定メニューやキャンペーン情報」が28.8%、「店内や調理の様子」が27.6%で一定程度参考にされており、「今しか楽しめない情報」や「今そこに行ったらどんな体験ができるか」が求められている様子がうかがえます。
次の章では、Z世代が気になったお店をどう活かしているのかを見ていきましょう。
4. 【Z世代】SNSがつくる「行動の連鎖」情報収集から体験へ広がる飲食店選び
SNSではじめるお店探しは、数珠つなぎにZ世代間で広がっていくようです。
それでは、Z世代が実際の来店にどのようにつなげているのでしょうか。実際の道筋をご紹介します。
4.1 動画で見て、行って、シェアする…Z世代の「飲食店サイクル」
SNSでシェアされた動画がきっかけで飲食店を訪れた経験があるか・その動画を友人や知人にシェアしたことがあるか4/4
出所:【Z世代の飲食店探しはSNSで完結?】Instagramの視覚訴求と保存性がZ世代に圧倒的人気!|StorePro
SNSに動画で紹介されていた飲食店に行った際、その動画を友人や知人にシェアしたことはありますか?
- よくある:17.3%
- たまにある:41.7%
- あまりない:26.4%
- 全くない:14.6%
SNSでシェアされた動画がきっかけで飲食店を訪れた経験はありますか?
- よくある:24.0%
- たまにある:49.8%
- あまりない:18.9%
- 全くない:7.3%
SNSでシェアされた動画がきっかけで飲食店を訪れた経験がある人は約7割に達し、そのうち6割以上が友人や知人にその動画をシェアしていることがわかりました。
Z世代の飲食店選びでは、SNSで情報を探してストックし、必要な時に友人や知人と共有して実際に足を運ぶという一連のサイクルが確立されていると言えるでしょう。Z世代は情報を受け取るだけで終わらず、体験をシェアして消費行動を広げていきます。SNSが口コミの場を越え、生活の流れを形づくっているのです。
こうしたZ世代の情報感度は、飲食店だけではなく自治体でも注目されています。次の章では、このZ世代の感覚がどのようにまちづくりへ活かされているのか、自治体の取り組みを紹介します。
5. 飲食店探しからまちづくりへ!Z世代の視点が社会を動かす
ここで、Z世代の目線を活かした自治体の取り組みを紹介します。
5.1 潟上市「Z世代活躍課」
秋田県潟上市では、2024年度にまちづくりを目的とした学生組織「Z世代活躍課」を設立しました。これは、行政の正規の部署ではなく、高校生や大学生などが集まり、Z世代ならではの視点で地域の課題解決を目指すプロジェクトです。
メンバーの自主性を尊重しながら、地域イベントへの参加(例:天王グリーンランドまつりでのチュロス販売や海外の遊び体験コーナー出展)や、旧東湖小学校の利活用案に関するプレゼンテーション、商品開発、SNSでの情報発信など、多岐にわたる活動を展開しています。
5.2 郡山市「Z世代活躍係」
福島県郡山市でも、若者の視点をまちづくりに活かす「Z世代活躍係」を設置しています。郡山市のZ世代人口は、福島県全体の約17%を占めており、Z世代は地域活性化の重要な鍵を握っています。
この係は、Z世代と地域の団体を「触媒役」として結びつけ、互いに不足している部分を補い合い、取り組みの持続性と質の向上を目指しています。「知る」「交わる」「創る」という3つのステップを通じて、Z世代と地域団体が協力し、多様な主体が支え合えるまちづくりを推進しています。
これらの事例には、自治体がZ世代の声をまちづくりに積極的に取り入れようとする動きが現れています。Z世代の視点によって地域社会を支えていくことが期待されているとわかりますね。
6. まとめにかえて
Z世代は飲食店探しにSNSを活用して、リアルタイムの情報をよりリアルな形で得られるようにする傾向にあります。
SNSで得た情報をそのまま保存し、友人などとSNSで共有し、実際に足を運ぶ。また自分たちが「リアルな情報」を発信するといった循環型の情報共有が進んでいるといえるでしょう。
一方で、飲食店の公式SNSによる情報も重視してリアルタイムで正しい情報を得ようとしている動きも見受けられます。
情報感度を用いてまちづくりをしようという動きもあり、より一層Z世代の情報収集方法に注目が集まりそうです。
参考資料
LIMO・U23編集部