「国家公務員と地方公務員、給与が高いのはどちらか?」

多くの人が一度は気になったことがあるテーマではないでしょうか。一般的には「国家公務員のほうが給与は高そう」というイメージを持たれがちですが、実際のデータを見ると必ずしもそうとは限りません。

なお、国家公務員の給与は全国一律の基準で決まる一方、地方公務員は自治体ごとの財政力や地域手当の有無によって水準が変わります。

そのため、自治体によっては国家公務員を上回る給与を得ているケースも存在するのです。

本記事では、国家公務員と地方公務員の「平均給与・賞与」を比較します。

また給与水準について、ラスパイレス指数をもとに《地域ごとの実情》をご紹介します。

1. そもそも「国家公務員」と「地方公務員」の違いとは?

years44/shutterstock.com

まずは、「国家公務員」と「地方公務員」の主な違いを簡単にまとめました。

所属先・勤務場所

  • 国家公務員:国の行政機関に所属(中央省庁やその出先機関)。全国転勤あり。
  • 地方公務員:都道府県庁、市区町村役場、教育委員会、警察本部などに所属。勤務は基本的にその自治体内に限定。

仕事の範囲

  • 国家公務員:国全体の政策立案や実行(法律の作成支援、外交、防衛、税務など)。
  • 地方公務員:住民生活に密着した行政サービス(福祉、教育、上下水道、地域開発など)。

給与の決まり方

  • 国家公務員:人事院勧告に基づき、全国共通の俸給表で決定。地域差は「地域手当」で調整。
  • 地方公務員:総務省が示す基準を参考に、各自治体の条例で決定。財政力や地域特性により水準に差が出る。

採用試験・キャリア

  • 国家公務員:国家公務員試験(総合職・一般職など)に合格し、各省庁に配属。キャリア官僚コースなども存在。
  • 地方公務員:地方公務員試験(都道府県・市区町村ごと)に合格し、地元自治体に就職。基本的に自治体間の異動はない。