3. 介護にかかる費用、平均は月々9万円
実際に介護にかかっている費用について、生命保険文化センターの「2024年度 生命保険に関する全国実態調査(2人以上世帯)」をもとに見ていきましょう。
同調査によれば、介護に要した費用は以下のとおりでした。
3.1 一時的な費用
- 掛かった費用はない:17.5%
- 15万円未満:24.0%
- 15〜25万円未満:10.1%
- 25〜50万円未満:6.2%
- 50〜100万円未満:7.2%
- 100〜150万円未満:6.4%
- 150〜200万円未満:1.8%
- 200万円以上:4.7%
- 不明:22.0%
- 平均額:47万2000円
3.2 月々の費用
- 支払った費用はない:0.0%
- 1万円未満:5.9%
- 1万〜2万5000円未満:15.1%
- 2万5000円〜5万円未満:13.3%
- 5万〜7万5000円未満:9.9%
- 7万5000円〜10万円未満:4.4%
- 10万〜12万5000円未満:10.4%
- 12万5000円〜15万円未満:5.5%
- 15万円以上:19.3%
- 不明:16.1%
- 平均額:9万円
一時的な費用の平均額は47万2000円、月々の費用は平均9万円となっています。
内訳を見てみると、一時的な費用は15万円未満が24.0%で最も多くの割合を占めています。15〜25万円未満も10.1%おり、突発的な支出額は決して少なくないといえるでしょう。
月々の費用は、15万円以上が19.3%と最も多くの割合を占めています。
次いで1万〜2万5000円未満が15.1%、2万5000円〜5万円未満が13.3%となっています。月々の費用は極端に多い人と少ない人の二極化傾向にあるようです。
同調査では、介護を行った期間の平均が4年7ヵ月(55ヵ月)であったと公表しています。よって、生涯で介護にかかる費用の目安は以下のとおりです。
- 9万円×55ヵ月+47万2000円=542万2000円
最低限の介護費用として、約540万円が必要といえるのです。
次章では、介護保険だけではカバーしきれない費用について解説します。