私たちは、40歳から介護保険料を納め始めます。保険料は介護サービスを利用するために納めるものです。

そのため「介護保険料さえ払っていれば介護は心配なし」と考えている人もいるのではないでしょうか。

介護費用は、介護保険料を支払っているだけでは足りないのが現状です。この記事では、老後の介護費用や介護保険の仕組みについて解説します。

1. 介護保険料を支払っていても備えは必須

介護保険料を払っているからといって、介護への備えは万全になるとはいいきれません。介護保険料はあくまで社会保険料であり、一般的な生命保険のように保険金が降りるものではないためです。

40歳から納める介護保険料は、将来自分自身が利用するために積み立てているものではありません。

介護保険料は、現時点で介護サービスを必要とする高齢者世代の介護を、社会全体で支えるために徴収されています。

つまり、私たちが支払う保険料は、現在の介護サービスの財源として使われているのです。

今の現役世代が、将来介護が必要になったときには、そのときの現役世代が支払う保険料によって支えられる仕組みです。

少子高齢化により、支え合いのバランスを保つのは厳しくなってきています。

将来介護が必要なときに受けられないといったことにならないよう、今から公的保険制度に依存しない介護資金づくりを進めていく必要があるのです。

次章では、介護保険の仕組みについて解説します。