涼しい風が吹き始め、秋の気配が濃くなってきました。この夏、旅行や帰省などで予想外の支出が増え、「これからはしっかり家計を立て直そう!」と決意を新たにしている方もいるでしょう。
本記事では、そんな皆さんの資産形成を後押しするために、20歳代から70歳代までの貯蓄額を、単身世帯と二人以上世帯に分けてご紹介します。
「同年代の人は、どれくらい貯めているんだろう?」と、現在の立ち位置を知るための参考に眺めてみてください。この秋、ご自身の資産形成の計画を見直すきっかけにしていただければ幸いです。
1. 【単身世帯】同年代のみんなの貯蓄額はいくら?平均貯蓄額と中央値
貯蓄の状況は、単身世帯と二人以上世帯とで大きく異なります。
ここではまず、単身世帯の貯蓄額について、J-FLEC(金融経済教育推進機構)が実施した「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」のデータをもとに確認していきましょう。
※本データの金融資産には、預貯金のほか株式・投資信託・生命保険なども含まれます。また、日々の生活費の引き落としや支払いに使う普通預金の残高は対象外となっています。
単身世帯「20〜70歳代」の貯蓄額の平均値と中央値は、以下のとおりです。
- 20歳代:平均値161万円・中央値15万円
- 30歳代:平均値459万円・中央値90万円
- 40歳代:平均値883万円・中央値85万円
- 50歳代:平均値1087万円・中央値30万円
- 60歳代:平均値1679万円・中央値350万円
- 70歳代:平均値1634万円・中央値475万円
※上記は、「金融資産を保有していない世帯」を含むデータです。
平均値は、貯蓄額の大きい世帯に引っ張られて実態より高めに出やすい傾向があります。
そのため、実情を把握するには「中央値」に注目するのが適しています。
さらに年代別の分布を確認すると、貯蓄をまったく持たない(=金融資産非保有)世帯の割合も一定数存在していることがわかります。
1.1 【年代別】「貯蓄ゼロ」の世帯は何パーセントいるのか?
- 20歳代:36.6%
- 30歳代:33.4%
- 40歳代:33.3%
- 50歳代:40.2%
- 60歳代:27.7%
- 70歳代:27.0%
上記のとおり、貯蓄ゼロ世帯の割合が最も高いのは50歳代です。
50歳代は一般的に収入のピークを迎える時期ですが、実際には十分な貯蓄ができていない世帯が多いことがうかがえます。
特に、現在の40歳代後半から50歳代は「就職氷河期世代」にあたり、厳しい雇用環境の影響が、貯蓄の進みにくさにもつながっている可能性があります。