秋風が心地よい季節となりました。日々の暮らしの中で、物価高が家計に与える影響を感じている方も多いのではないでしょうか。

年金額は3年度連続で増額改定され、一定の要件を満たす年金受給者に支給される「年金生活者支援給付金」も、2025年度は前年度から2.7%も引き上げられています。

年金生活者支援給付金は、年金生活者の生活向上をサポートする目的で創設された制度で、性質上、1回限りではなく2カ月に1回継続して支給される給付金です(支給要件を満たす場合に限る)。

この記事では、「年金生活者支援給付金」の対象となるための条件や、受け取るための手続き方法について、わかりやすく解説します。また、気になる支給額も一覧でご紹介しますので、ぜひご確認ください。

1. 年金に上乗せ支給される「年金生活者支援給付金」って何?

年金生活者支援給付金とは、年金を受け取っていても所得が少ない方の暮らしを支えるために、年金に加算して支給される給付金です。

この給付金の財源には、消費税率引き上げによる増収分が充てられています。

「年金生活者支援給付金の支給に要する費用の財源は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律の施行により増加する消費税の収入を活用して、確保するものとする。」
引用:e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」

1.1 「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」はどんな人が受け取れる?

3種類のうち、「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」については、障害基礎年金または遺族基礎年金を受給している人で、かつ前年の所得が472万1000円以下であることが条件となります。

判定の際には、障害年金や遺族年金といった非課税収入は含まれず、扶養親族の人数に応じて基準額が引き上げられます。

一方で、「老齢年金生活者支援給付金」の受給要件は、より複雑な仕組みになっています。