異例の猛暑が続いていますが、朝晩は少しずつ秋の訪れを感じられるようになりました。

さて、来月10月15日は2カ月に1度の公的年金の支給日です。

2025年度の年金額は、賃金や物価の上昇を反映して前年度比1.9%の増額となりました。さらに、一定の要件を満たす年金受給者に支給される「年金生活者支援給付金」も、前年度から2.7%増額されています。

年金生活者支援給付金は、年金生活者の生活を下支えするための制度で、こうした性質上、公的年金と同様に2カ月に1回、継続して支給されます(支給要件を満たす場合)。

この記事では「年金生活者支援給付金」の対象となる要件や給付額、手続方法について解説します。

1. 【対象となる条件一覧】そもそも「年金生活者支援給付金」って何?

年金生活者支援給付金は、年金を受け取っていても所得が少ない人の生活を支えるために、年金に上乗せして支給される制度です。

この給付金の財源には、消費税率引き上げによる増収分が充てられています。

「年金生活者支援給付金の支給に要する費用の財源は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律の施行により増加する消費税の収入を活用して、確保するものとする。」
引用:e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」

1.1 「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件は?

3種類のうち、「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」は、障害基礎年金または遺族基礎年金を受給している人で、かつ前年の所得が472万1000円以下であることが条件です。

判定の際には、障害年金や遺族年金といった非課税収入は含まれず、扶養親族の人数に応じて基準額が加算されます。

一方、「老齢年金生活者支援給付金」の受給条件は、より複雑な仕組みとなっています。