就職活動を終え、内定を獲得した学生にとって、入社までの期間は期待と不安が入り混じる時期。

企業は内定者のフォローに力を入れていますが、具体的にどのようなフォローが学生に喜ばれ、入社後の心境に良い影響を与えるのでしょうか。

今回は内定者でもある筆者の目線も交えながら、内定期間中の学生のリアルな心境と企業に求められるフォローの実態を探っていきます。

1. 入社前の不安をどう減らす? 内定者が本当に求める「企業のフォロー」とは

新入社員を対象に調査した【ラーニングイノベーション総合研究所「新入社員が振り返る内定期間の取り組み調査」】から、内定期間のフォローについて見ていきましょう。

1.1 調査概要

  • 調査対象者:当社が提供する新入社員研修に参加した 2025年入社の新入社員
  • 調査時期:2025年3月25日~2025年4月24日
  • 調査方法:Web・マークシート記入式、または自記式でのアンケート調査
  • サンプル数:3,933人(業種・企業規模合計)

1.2 入社時の気持ちは“期待”より“不安”が上回る現実

1.3 入社時の心境

  • 不安:30.7%
  • 緊張:22.4%
  • 期待:15.2%
  • 大変:9.7%
  • 高い意欲:6.3%
  • 楽しい:6.0%
  • 安心:2.5%
  • うれしい:1.8%
  • あふれる野心:1.6%
  • 寂しい:1.4%
  • とまどい、混乱:1.2%
  • 会社を辞めたくなった:0.9%
  • 無回答:0.4%

入社式を迎えた時点での心境を尋ねたところ、「不安」が30.7%、「緊張」が22.4%となり、多くの新入社員がネガティブな感情を抱いていることが明らかになりました。このようなネガティブな感情は、ポジティブな感情である「期待」(15.2%)や「楽しい」(6.0%)を大きく上回っています。

今までの「学生」という立場から責任が重くなる社会人になるにあたり、不安や緊張でいっぱいになるのには頷けます。入社式という段階であることも、まだ慣れていない環境で結果を出せるのだろうかといった感情につながるのではないでしょうか。

そうした不安を減らすためにも、内定期間中のフォローが求められるといえそうです。では、内定期間中のフォローにはどのようなものが求められるのでしょうか。次の章で詳しくみていきましょう。