1.1 認知症高齢者の有症率は上昇の見通し、要介護者数は年々増加
内閣府の「令和7年版高齢社会白書」によると、2022年時点の、65歳以上の認知症高齢者は約443万人(有病率12.3%)、軽度認知障害(MCI)の高齢者は約559万人(有病率15.5%)です。
この割合が今後も変わらないとすると、2060年には認知症は約584万人(14.9%)、MCIは約613万人(15.6%)に増えると推計されています。
また、内閣府の同資料では、65歳以上の者の要介護者等数は増加しており、特に75歳以上で割合が高いことも示しています。
2022年度の要介護・要支援認定者は約681万人と、この10年で大きく増加しました。65~74歳では認定率が低いものの、75歳以上になると急増し、85歳以上では約半数が要介護となっています。
内閣府のデータからも、これから認知症高齢者や要介護者がさらに増えていくことが見えてきました。特に75歳を超えると要介護認定率が急上昇し、もはや誰にとっても無関係ではない課題といえるでしょう。
50歳代以上の未婚男性が抱える不安は、こうしたデータからも「漠然とした将来不安」として片づけるのではなく、健康面や経済面で真剣に考え、具体的に備えておくべき現実の問題といえるでしょう。
次の章では、実際におひとりさまシニア世帯がどの程度の生活費で暮らし、どのくらいの年金収入を得ているのか、その家計のリアルな姿を見ていきます。