10月も終わりに差し掛かり、街の木々が赤や黄色に色づき、朝晩の空気には冬の気配が漂ってきました。

年末に向けて準備に追われるこの時期、ふと「家計は大丈夫かな」と考える方もいるのではないでしょうか。

特に年金で暮らすシニア世代にとって、毎月の収入は限られており、物価の上昇や医療・介護の備えなど、不安を感じる場面も少なくありません。そんな暮らしを支える制度のひとつが「年金生活者支援給付金」です。

たとえば、老齢年金生活者支援給付金の対象者が単身で月額5450円を受け取っている場合、12月15日の支給額は2カ月分で1万900円になります。

こうした制度を正しく理解しておくことは、安心につながります。本記事では、年金生活者支援給付金の対象者や金額、請求方法について、わかりやすく解説していきます。

1. 【年金に上乗せ支給】「年金生活者支援給付金」ってどんな制度なの?

年金生活者支援給付金は、老齢年金・障害年金・遺族年金の受給者のうち、所得が一定基準以下の人を対象に、2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給される制度です。

給付額は毎年度見直され、物価の動きなども踏まえて調整される仕組みになっています。

1.1 年金生活者支援給付金制度が創設された「目的」とは?

年金生活者支援給付金制度は、2019年10月の消費税率引き上げ(8%→10%)にあわせて創設されたもので、所得が少なく年金額も低い高齢者や障害・遺族年金受給者の生活を支えることを目的としています。

この制度の目的は、年金生活者支援給付金の支給に関する法律第1条にも明記されています。

「この法律は、公的年金等の収入金額と一定の所得との合計額が一定の基準以下の老齢基礎年金の受給者に国民年金の保険料納付済期間及び保険料免除期間を基礎とした老齢年金生活者支援給付金又は保険料納付済期間を基礎とした補足的老齢年金生活者支援給付金を支給するとともに、所得の額が一定の基準以下の障害基礎年金又は遺族基礎年金の受給者に障害年金生活者支援給付金又は遺族年金生活者支援給付金を支給することにより、これらの者の生活の支援を図ることを目的とする。」
引用:e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」

つまり、公的年金だけでは生活が難しい人に対し、年金に上乗せする形で給付金を支給し、最低限の生活を保障することを目的とした制度です。