11月は「ねんきん月間」です。日本年金機構と厚生労働省が、公的年金制度の普及・啓発を目的に定めました。

現役世代も、すでに年金を受給しているシニア世代も正しく理解しておきたい公的年金のこと。しかし、年金について詳しく学ぶ機会は多くないため、大事なことだけど実はあまり詳しくないという方は少なくないでしょう。

この公的年金に加えて知っておきたいのが「年金生活者支援給付金」です。

年金生活者支援給付金は、年金生活者の生活を支援する目的で創設された制度で、その性質上、給付金の支給は「1回限り」ではなく「支給要件を満たす限りずっと」支給されます。

2024年3月末現在の「老齢年金生活者支援給付金」の平均支給額は月額4014円で、支給は2カ月に1回なので1回あたり平均8028円振り込まれます。年間では5万円弱にものぼりますので、公的年金にプラスアルファでもらえる貴重な収入源となるでしょう。

なお、年金生活者支援給付金は基礎年金の種類に応じて「老齢年金生活者支援給付金・障害年金生活者支援給付金・遺族年金生活者支援給付金」の3種類あります。

この記事では、老齢年金生活者支援給付金に絞って、どんな人が、月額いくら、もらえるのか。そして、どのような手続きが必要なのか、詳しく解説していきます。

1. 「年金生活者支援給付金」とは?

「年金生活者支援給付金」ってどんな制度?

年金生活者支援給付金制度について

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」

 

「年金生活者支援給付金」とは、公的年金を含めてもなお所得の低い世帯を対象とする給付金です。2カ月に一度の年金支給日に、公的年金に上乗せして支給されます。

近年しばしば実施されている「住民税非課税世帯への給付金」などの一時的な支援とは異なり、要件を満たす限り継続して受け取ることができる恒久的な支援制度です。

年金生活者支援給付金は、以下の3つの種類があります。

1.1 年金生活者支援給付金は3種類

  • 老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

次章より、老齢年金生活者支援給付金に絞って、支給要件や給付額、手続き方法を解説していきます。