9月も引き続き値上げが相次ぎ、10月にはさらに多くの飲食料品で価格上昇が見込まれています。
2025年度の公的年金は前年度比1.9%引き上げられましたが、物価上昇率には追いつかず、実質的には目減りしている状況です。度重なる値上げの影響で、年金が増えた実感を得るのは難しいといえるでしょう。
こうした厳しい環境の中で、現在のシニア世代はどのような暮らしをしているのでしょうか。
今回は65歳以上の「おひとりさま」世帯に焦点を当て、生活費や年金額の実態を確認していきます。
1. 【65歳以上のおひとりさま世帯】ひと月の「生活費」は14万9286円
総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」から、標準的な65歳以上・単身無職世帯のひと月の家計収支データを見てみましょう。
1.1 実収入:13万4116円
■うち社会保障給付(主に年金)12万1629円
1.2 可処分所得:12万1469円
■【実収入】13万4116円ー【非消費支出】1万2647円=12万1469円
※非消費支出の内訳
- 直接税:6585円
- 社会保険料:6001円
1.3 消費支出(生活費):14万9286円
- 食料:4万2085円
- 住居:1万2693円
- 光熱・水道:1万4490円
- 家具・家事用品:6596円
- 被服及び履物:3385円
- 保健医療:8640円
- 交通・通信:1万4935円
- 教育:15円
- 教養娯楽:1万5492円
- その他の消費支出:3万956円
- うち諸雑費:1万3409円
- うち交際費:1万6460円
- うち仕送り金:1059円
1.4 家計収支
- 赤字:2万7817円
65歳以上おひとりさま世帯(無職世帯)の家計収支は上記のとおり、収入に対して生活費が上回るため、ひと月2万7817円の赤字となっています。
物価高が続く中でこの赤字がさらに膨らんでいる世帯は少なくないでしょう。
次に、老後生活の柱の1つとなる公的年金の受給額を見ていきます。