4. 地方自治体の給与水準をあらわす「ラスパイレス指数」
地方自治体の給与水準をあらわす指数として「ラスパイレス指数」というものがあります。ラスパイレス指数とは、すべての地方公共団体の一般行政職の給料月額を同じ基準で比較するために用いる指数です。国家公務員の一般行政職の給与を100とした場合に、地方公務員の月額給料がどれくらいかを示しています。
総務省の「令和6年地方公務員給与実態調査結果等の概要」によると、ラスパイレス指数がもっとも高い都道府県は静岡県で、指数は102.2です。県全体で平均して国家公務員以上の給与を受け取っています。政令指定都市に限定すると仙台市、中核都市では越谷市、その他では兵庫県芦屋市がトップの指数となっています。(詳細以下画像)
地方公務員の年収は、就職する自治体によって大きく異なるため、国家公務員以上の人もいれば、国家公務員を下回る人もいるのです。
5. まとめ
国家公務員と地方公務員は、同じ公務員であることから比較されがちですが、年収や職務内容などには大きな違いがあります。地方公務員の給与は国家公務員の給与水準をもとに決定されますが、地域によって賃金・物価の状況は異なるため、なかには国家公務員を上回るケースもあるのです。
また、転勤の少なさや転勤先の幅広さなども異なります。こうした仕事の特性を把握したうえで、ライフプランを立てていく必要があるでしょう。
参考資料
- 人事院「国家公務員の紹介」
- 人事院「令和6年国家公務員給与等実態調査報告書」
- 総務省「令和6年地方公務員給与の実態 第5表 職種別職員の平均給与額」
- 内閣官房「令和7年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」
- 内閣官房「令和6年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」
- 人事院「国家公務員の諸手当の概要」
- 総務省「令和6年地方公務員給与実態調査結果等の概要」
石上 ユウキ