安定した職業として人気の公務員。就活や転職活動が活発になる秋、公務員を目指す方も少なくありません。公務員は国家公務員と地方公務員に分かれ、それぞれ異なる仕事をしています。
また、収入にも差があります。同じ公務員でも、なぜ収入に差が生まれるのでしょうか。
この記事では、国家公務員と地方公務員の平均年収の差や、差が生まれる要因を解説します。
1. 国家公務員と地方公務員の違い
はじめに、国家公務員と地方公務員の役割や働き方を解説します。
国家公務員は、各省庁や関係機関に所属し、国全体の運営にかかわる業務に従事します。国の政策立案や法制定などに携わる総合職(官僚)と、その事務をサポートする一般職、皇宮護衛官や財務専門官など専門知識を活かして業務をする専門職に分かれます。国づくりに直接携わる仕事であり、スケールの大きい職業といえるでしょう。
一方、地方公務員は、都道府県庁や市区町村役場、警察署などに所属し、地域の住民生活に密着した行政サービスを提供します。市区町村職員や警察官のほか、公立学校の教師、消防士、自治体運営の病院のスタッフなどは、すべて地方公務員です。戸籍や税金の手続き、学校の運営、地域イベントの開催などによる街づくりに携わる仕事です。
同じ公務員でも携わる仕事のスケールや意義が異なるため、全く異なる仕事をしていると考えてよいでしょう。
人数を見てみると、国家公務員は約59万人に対し、地方公務員は約280万人と、地方公務員が公務員の8割を占めている状況です。
こうした人々によって、私たちの行政は支えられています。
次章では、国家公務員・地方公務員の平均年収の差を比較します。