5. 老後資金の準備は早めの行動を
総務省統計局の家計調査によると、シニア世帯は年齢を重ねるにつれて生活費が減少する傾向にあります。
しかしながら、依然として家計が赤字になるケースは少なくなく、現実的には貯蓄を取り崩して生活費を補っている世帯が多いのが実態です。
一時的には貯蓄でしのげても、長期的に見れば資産が枯渇してしまうリスクは避けられません。
加えて、公的年金の受給額は現役時代の収入や加入期間によって大きな差が生じるため、平均額どおりの水準を誰もが得られるわけではない点にも注意が必要です。
したがって、まずは「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を活用し、自分が将来どの程度の年金を受け取れるのかを把握することが重要です。
そのうえで、家計の支出を見直すとともに、預貯金に加えて積立投資などの運用手段を組み合わせることで、資産を効率的に増やしていく工夫が求められます。
老後資金の準備は、始める時期が早ければ早いほど取れる選択肢が広がります。
無理のない範囲で少しずつでも具体的な行動を積み重ね、将来の安心につなげていきましょう。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
加藤 聖人