2. 繰下げ受給でどのくらい増えるのかシミュレーション
前述のとおり、繰下げ受給の増額率は、受給開始を遅らせた月数に応じて加算されます。「1ヵ月繰り下げるごとに0.7%」の増額率となっており、最長75歳まで繰り下げられます。
例えば、65歳から月額15万円の年金を受け取れる人の場合、増額率と受給額は次のようになります。
- 65歳開始:+0.0% → 月額15万円
- 66歳開始:+8.4% → 月額16万2600円
- 67歳開始:+16.8% → 月額17万5200円
- 68歳開始:+25.2% → 月額18万7800円
- 69歳開始:+33.6% → 月額20万400円
- 70歳開始:+42.0% → 月額21万3000円
- 71歳開始:+50.4% → 月額22万5600円
- 72歳開始:+58.8% → 月額23万8200円
- 73歳開始:+67.2% → 月額25万800円
- 74歳開始:+75.6% → 月額26万3400円
- 75歳開始:+84.0% → 月額27万6000円
一度繰下げて増額された年金額は、その後一生涯にわたり続きます。長生きすればするほど、繰下げ受給のメリットは大きくなるといえるでしょう。
ただし、繰下げ受給を選択しても、受給開始後すぐに亡くなってしまった場合は、増額の恩恵を十分に受けられない可能性があります。
また、受給開始を遅らせる間は年金が支給されないため、その間の生活費をどのように賄うかが重要な課題になります。
そのため、十分な貯蓄や就労収入がある方に向いている選択肢といえるでしょう。