4. 課題となるのは「給与」と「残業」

人事院のアンケートでは「魅力向上や優秀な人材の獲得に向けて必要な取り組み」についても調査しています。回答結果は以下のとおりでした。

魅力向上や優秀な人材の獲得に向けて必要な取り組み

魅力向上や優秀な人材の獲得に向けて必要な取り組み

出所:人事院「総合職試験等からの新規採用職員に対するアンケート」をもとに筆者作成

※複数回答可

  • 給与水準の引上げ:79.8%
  • 働き方改革の推進(超過勤務・深夜勤務の縮減):60.9%
  • 働き方改革の推進(フレックスタイム制やテレワークの活用推進、業務効率化等):40.3%
  • 育児・介護等のための両立支援策を推進し負担に配慮する:24.4%
  • 年次に関わらない能力・実績に基づく柔軟な人事管理・処遇を徹底する:23.2%
  • キャリア形成に役立つ様々な職務を経験させるとともに、将来のキャリアパスを示す:20.1%
  • 広報活動を通じた国家公務員という職業のイメージアップ:16.8%
  • 若手の裁量の幅を広げ、早くから責任ある仕事を任せる:12.6%
  • 研修など担当職務以外での能力開発機会を充実させる:10.4%

約8割の人が「給与アップ」と回答しています。国家公務員の給与は「人事院勧告」のもと、民間に準拠するよう調整されています。しかし、国の政策に直接携わるという責任ある仕事内容や、国会対応などによる時間外労働の常態化などから、給与以上の激務を強いられているのが現状です。実際、アンケートでも60%超の人が「残業の縮減」を求めています。

公務員が魅力ある仕事となり、より優秀な人材を確保していくには、給与水準の見直しや超過勤務の是正は必須ともいえるでしょう。

次章では、こうした課題から発生している「試験申込者数の減少」について解説します。