3. 【試算】年金支給時に天引きされる介護保険料はいくら?

仮徴収・本徴収の仕組みを踏まえて、年金支給時に天引きされる介護保険料を計算してみましょう。この記事では、以下の条件で試算します。

  • 東京都新宿区在住の65歳(単身世帯)
  • 前年度2月の介護保険料は1万4520円(7260円×2ヵ月分)、今年度は所得が150万円になり介護保険料が増える見込み
  • 老齢年金を受給中

新宿区の例「介護保険料の計算方法」

新宿区の例「介護保険料の計算方法」

出所:新宿区「介護保険料の決まり方」

これをもとに、仮徴収額・本徴収額を計算し、1回の年金支給あたりで天引きされる金額を確かめてみましょう。

まず、4月〜8月の仮徴収額は、前年度の2月の保険料額と同等です。そのため、1万4520円が3回にわたって徴収されます。

本徴収額を計算するには、決定した年間の介護保険料額を知る必要があります。「今年度は所得が150万円になる」という条件を踏まえると、年間の介護保険料は9万5040円です。本徴収額は「(年間保険料額ー仮徴収額)÷3」で計算します。それぞれの数字を当てはめてみましょう。

  • (9万5040円ー4万3560円)÷3=1万7160円

そのため、10月から2月までは1万7160円が年金から天引きされることになるのです。

こうした金額は、6〜7月頃に自治体から届く「介護保険料額決定通知書」で確認できます。次章では、介護保険料額決定通知書の見方を確かめます。