2. 特例的な繰下げみなし増額制度とは
年金の繰下げを希望して待機いたものの、「65歳からの本来の年金」をさかのぼって一括で受け取ることも可能です。
70歳以後にこの制度を利用する場合、請求の5年前の日時点で繰下げ受給の申出があったものとみなされ、増額された年金を一括で受け取ることとなります。
これを「特例的な繰下げみなし増額制度」といいます。
2.1 特例的な繰下げみなし増額制度が生まれた背景
特例的な繰下げみなし増額制度は2023年4月に導入されました。
老齢年金の繰下げ受給の上限年齢が70歳から75歳に引き上げられ、年金の受給開始時期を75歳まで自由に選択できるようになったことを受け、70歳以降も安心して繰下げ待機できるよう制度改正されたものです。
これにより、70歳到達後に繰下げ申出をせずにさかのぼって本来の年金を受け取ることを選択した場合でも、請求の5年前の日に繰下げ申出したものとみなし、増額された年金の5年間分を一括して受け取ることができるようになったのです。
時効で消滅する可能性があった年金の一部(最大5年分)が、増額された形で一括して受け取れるようになったといえます。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてパートとしてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事を執筆している。京都府出身、滋賀県在住。(2026年6月26日更新)