2025年8月1日、厚生労働省が発表した「令和6年度「厚生年金保険・国民年金の収支決算の概要」」によると、2024年度の公的年金(厚生年金と国民年金)の積立金は時価ベースで過去最高のおよそ260兆円となりました。

また、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2025年度4-6月期(第1四半期)の運用損益は10兆2054億円のプラスで2四半期ぶりの黒字となっています。

本記事では、最新の年金積立金の「収支」と「運用状況」について解説していきます。

1. 【年金積立金】2024(令和6)年度の年金積立金、時価ベースで過去最高に

厚生労働省が発表した「令和6年度「厚生年金保険・国民年金の収支決算の概要」」によると、2024(令和6)年度の年金積立金は下記のとおり、時価ベースで過去最高の260兆757億円となりました。

厚生年金と国民年金の内訳を見てみましょう。

1.1 2024(令和6)年度 年金積立金「厚生年金と国民年金」の内訳と増減

  • 厚生年金:247兆7618億円(前年度比+4兆7140億円)
  • 国民年金:12兆3138億円(前年度比▲2034億円)

厚生年金は5年連続の増加。

増加の要因としては、年金積立金の運用が好調だったことに加え、2024年10月から社会保険適用拡大により、保険料収入が増えたことがあげられます。

一方、国民年金は2年ぶりの減少となりました。1人あたりの保険料の増加等により保険料収入が増加したものの、時価ベースの積立金は前年度から▲2034億円となっています。

次章では年金積立金の運用状況を見ていきましょう。