3. 公的年金の積立金とは?
公的年金の「積立金」とは、将来の年金給付のためにプールされているお金のこと。
日本の公的年金制度は、現役世代が納める年金保険料を、その時の年金受給者の年金給付に充てる「賦課方式」を採用しています。
しかし、納められた保険料のうち年金給付に充てられずに残った保険料の一部は、「年金積立金」として積み立てられているのです。
前述のとおり、年金の主な財源は、私たちが毎月支払う「年金保険料」です。
しかし、保険料だけでは年金給付に足りない場合、その不足分は「国庫負担(税金)」で補われます。それでも不足する場合は、これまでに積み立ててきた「年金積立金」を取り崩して、給付に充てる仕組みになっています。
この「年金積立金」は、ただ置いておくだけでは物価上昇などで価値が目減りしてしまう恐れがあるため、一部を運用して増やしています。この運用を担っているのが、「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」です。
GPIFは厚生労働大臣から年金積立金を預かり、運用・管理を行っています。
4. まとめ
今回は、年金積立金の現状と、その運用状況について詳しく見てきました。
公的年金の積立金が順調に増えていることは、将来の年金制度を維持していく上で非常に心強いニュースです。
しかし、年金制度の財源は積立金だけではありません。
私たちの年金保険料や税金も重要な柱です。少子高齢化が進む中、今後も年金制度がどう変化していくかは常に注視しておく必要があります。
今回のデータは、私たちが納めた保険料が着実に管理・運用されていることを示すものです。しかし、公的年金だけで豊かな老後生活を送ることが難しい現実もあります。
年金制度の動向に関心を持ちつつ、「自分自身の老後資金は自分で守り、増やす」という意識を持つことが大切です。
参考資料
和田 直子