秋の気配が深まり、将来の暮らしを考えるのにぴったりな季節です。

老後の生活を支える柱となるのが公的年金ですが、実際にどれくらい受け取れるかご存じでしょうか。

厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均月額は5万7584円、厚生年金は14万6429円です。なお厚生年金の平均額は男性が16万円超、女性は10万円台と、性別や働き方で大きな差があります。

現役世代にとって、この年金額は将来の生活設計を考える重要な指標です。「年金だけで足りるのか?」と不安を感じる方も多いはず。

この記事では、平均年金額の実態と、2025年度最新の年金額についてわかりやすく解説します。

1. 2025年度「1.9%増」で年金額はいくらになった?

公的年金は、毎年物価や賃金の変動を反映して見直されています。2025年度の年金額は、前年度より1.9%引き上げられています。

公表された年金額例を見ると、国民年金(老齢基礎年金)の満額は月額6万9308円となっています。

また、厚生年金は、モデルケース「厚生年金を受け取る会社員の夫+国民年金を受け取る妻」の世帯の場合、月額23万2784円です。

※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準