年末が近づくにつれて、来年に向けたご自身の資産状況や将来の家計について、改めて見つめ直す機会が増えているのではないでしょうか。

公的年金は老後の生活を支える大黒柱ですが、「年金だけで生活できるのだろうか」という不安は、多くの方が抱える共通の課題です。特に、現役時代の働き方や家族構成によって、老後の収入構成は大きく異なります。

厚生労働省の最新の国民生活基礎調査によると、高齢者世帯の平均的な収入に占める公的年金・恩給の割合は63.5%ですが、より実態に迫ると、公的年金のみに頼って生活している世帯が4割以上にのぼるという厳しい現実が浮き彫りになっています。

本記事では、この衝撃的なデータをもとに、高齢者世帯の収入構成のリアルな内訳を詳しく解説します。公的年金だけに頼る生活が現実となったとき、どのような備えが必要なのか、今一度考えてみましょう。

1. 「年金生活者支援給付金制度」とは?もらえるのはどんな人?

「年金生活者支援給付金」は、基礎年金を受給している人が、年金等の収入や所得の合計額が一定基準以下となる場合に受け取ることができるお金です。

「年金生活者支援給付金」は3種類あります。それぞれ詳細を見ていきましょう。

1.1 【老齢年金生活者支援給付金】支給要件を見る

老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下(※2)

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される

1.2 【障害年金生活者支援給付金】支給要件を見る

障害年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。

  • 障害基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

※ 障害年金等の非課税収入は除く

1.3 【遺族年金生活者支援給付金】支給要件を見る

遺族年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。

  • 遺族基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

※ 遺族年金等の非課税収入は除く