3. 中間管理職の悩み、最も多いのは「板挟み」
ミイダス株式会社が実施したアンケートによると、中間管理職の最も大きな悩みは「部下と経営層の板挟みになること」でした。
- 部下と経営層の間で板挟みになる:44.0%
- マネジメント業務が膨大で対応しきれない:37.5%
- 部下への指導方法や伝え方が分からない:33.0%
特に「部下と経営者との間に挟まれる」という悩みは全体の4割を超えており、立場の難しさに苦慮している中間管理職が多いことがわかります。
さらに、部下とのコミュニケーションや育成に関する悩みも多く挙がっています。
- 部下のキャリア支援やモチベーションの維持が難しい:52.5%
- 自身が受けてきたマネジメント手法が通用しないと感じる:35.0%
- ハラスメントを避けるために過度に神経を使う:34.5%
若手社員との価値観の違いや、ハラスメントリスクへの配慮といった現代特有の課題も背景にあると考えられます。
4. キャリアとともに、将来への備えも重要に
中間管理職は、企業の現場と経営の橋渡しを担う重要な存在です。
しかし、責任の重さに見合う報酬が得られていないと感じる人も多く、将来に向けた金銭的不安を抱えるケースも少なくありません。
こうした不安に備えるには、昇進による給与アップに頼るだけでなく、iDeCoやNISAなどの制度を活用した資産形成にも目を向ける必要があります。
長期的に資産を築くことで、老後資金や将来の選択肢を増やすことができるでしょう。
企業側の支援制度の充実も不可欠ですが、一人ひとりが資産運用やリスク分散の意識を持つことも、これからの時代には欠かせない要素といえます。
参考資料
- ミイダス株式会社「【経営者・中間管理職に聞く現代のマネジメント】経営者・中間管理職ともに、この10年で「マネジメント業務の変化」を実感 経営者が中間管理職に求める役割、第1位は?」
- 帝国データバンク「上場企業の「平均年間給与」動向調査(2024 年度決算) 」
- 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 役職別」
- 国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」
加藤 聖人