2. 任意継続被保険者制度のメリット・デメリット

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まずは、任意継続被保険者制度の概要とメリット・デメリットについて確認していきましょう。

2.1 任意継続被保険者制度とは

任意継続被保険者制度とは、会社を退職した人がそれまで加入していた健康保険に最大2年間、本人の希望により継続加入できる制度です。

原則として、退職するとそのときから健康保険の被保険者資格を失いますが、任意継続すれば退職後も同じ健康保険に引き続き加入できる仕組みとなっています。

ただし、加入するには以下の要件を満たす必要があります。

  • 健康保険の被保険者期間が継続して2ヵ月以上あること
  • 退職日の翌日等から20日以内(※)に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること。
    ※20日目が土日・祝日の場合は翌営業日

2.2 任意継続のメリット

任意継続には、以下のようなメリットがあります。

  • 現役時に受けられる保険給付とほぼ同じ給付を受けられる
  • 配偶者や子どもも継続して保険対象にできる

保障内容や給付、サービスは、現役時代とほぼ同様なものを受けることが可能です。

また、配偶者や子どもがいる場合、扶養家族として継続して保険対象にできます。

2.3 任意継続のデメリット

一方、任意継続には以下のようなデメリットがあります。

  • 保険料は全額自己負担しなければならない
  • 加入期間は最大2年間
  • 所得が少ない場合、国民健康保険の方が安い可能性がある

会社に勤務していた間は保険料の支払いは労使折半(従業員と会社が半額ずつ負担すること)でしたが、任意継続後は全額を自己負担しなければなりません。

また、加入できるのは退職後最大2年間なため、それ以降は国民健康保険などへの加入手続きが必要になります。

退職後の所得によっては、国民健康保険の方が保険料が安くなるケースがあるため、任意継続するかどうか決める際には十分検討する必要があります。