来月、10月15日は年金支給日です。筆者はファイナンシャル・アドバイザーとして日頃、お客様の人生設計をサポートに従事していますが「将来の年金」について不安を抱える方は少なくありません。例えば、「退職後も今の生活水準を維持できるか不安」「老後資金をどう準備すればいいか分からない」と相談される方もいらっしゃいます。年金に対する漠然とした不安は、多くの方に共通する課題だと考えられます。
今回は、基本的な公的年金のしくみや、年齢別の年金平均受給額のリアルを具体的に解説します。この記事が、お客様が抱えるような漠然とした不安を解消し、ご自身の将来を考えるきっかけになれば幸いです。
1. 年金のしくみ
公的年金は「2階建て構造」などと表現されます。
これは、1階部分にあたる「国民年金（基礎年金）」、2階部分にあたる「厚生年金」から成り立つためです。
1.1 《1階部分》国民年金
- 加入対象者：原則として日本に住む20歳以上から60歳未満の全員
- 年金保険料：全員一律、ただし年度ごとに改定あり（2025年度月額：1万7510円）
- 受給額：保険料を40年間欠かさず納付すれば満額（2025年度月額：6万9308円）
1.2 《2階部分》厚生年金 ※国民年金に上乗せで加入
- 加入対象者：会社員や公務員、またパートなどで特定適用事業所（※1）に働き一定要件を満たした人
- 年金保険料：収入に応じて（上限あり）変わる（※2）
- 受給額：加入期間や納めた保険料により個人差あり
※1 特定事業所：1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者（短時間労働者は含まない、共済組合員を含む）の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※2 厚生年金の保険料額：標準報酬月額（上限65万円）、標準賞与額（上限150万円）に保険料率をかけて計算される
国民年金には、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員が原則加入し、一律の年金保険料を納めます。
一方で厚生年金は、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた年金保険料を納めるしくみです。
