3. 生活が苦しい高齢者世帯は約6割

厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」によると、2023年に関する高齢者世帯の生活意識の回答は以下のとおりでした。

  • 大変苦しい:26.4%(前回18.1%)
  • やや苦しい:32.6%(前回30.2%)
  • 普通:36.7%(前回45.1%)
  • ややゆとりがある:3.9%(前回5.8%)
  • 大変ゆとりがある:0.4%(前回0.8%)

「大変苦しい」「やや苦しい」と回答している世帯が約6割を占めています。一般的に、高齢になるほど収入を年金に依存します。年金は毎年改定されるとはいえ、急増は見込めない点に注意が必要です。

特に、昨今はさまざまなモノやサービスの価格が高騰しており、生活を圧迫しています。固定費を抑え、余計な支出を抑える意識を持たないと、生活がどんどん苦しくなってしまうでしょう。

4. まとめにかえて

年金額の引き上げはあるものの、高齢者世帯の家計は依然として厳しい状況が続いています。モデル年金額と実際の消費支出を比較すると月約2万円の赤字となり、多くの高齢者が生活の苦しさを実感しています。

物価高騰が続く中、年金だけに頼る生活では限界があるのが現実です。老後の生活を安定させるためには、現役時代からの資産形成に加えて固定費の見直しなど、計画的な家計管理が不可欠といえるでしょう。

参考資料

柴田 充輝